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ニュージーランド55日紀行 30/55 いのち

今住まわせてもらっているお宅の猫がなかなかのハンターだ。

こないだはテレビの後ろに、大きなねずみが転がっていた。

獲物を捕まえた猫は、変な鳴き方をする。
そして、ほら見て、と言わんばかりに、目に付くところに置いたり見せたりしてくる。

あ、なんか鳴いてる、と思ったら、
今日はリビングの床に15センチくらいの鳥がいた。

やだよー、夜も誰も居ないんだよ今日。
これぜったい無視できないじゃないか。

そうっと、鳥をティッシュで包み、スコップでお庭の一角を堀り、埋めた。

まだ暖かい、ふわっとしたカラダ。

首を噛まれて即死するんだろう。
外傷もなく、目を閉じて、寝ているみたいだ。

気持ち悪い、とか、怖い、とかよりも、
その生命の儚さと美しさが愛おしくてたまらなくて。


こんなにもあっけなく息を引き取りどこかへ逝ってしまういのちというもの。

こんなにも大切な気持ちをもたらしてくれた鳥に対して、ありがとうとしか言えなくて。

みんな、同じなんだって、思った。
死ぬ なんて一瞬のことで、
生きているって、たまたまなのかもしれなくて。

涙が溢れて、仕方なかった。

ああ。愛する人たちと、会いたいな。

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