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ニュージーランド55日紀行 11/55 浄化の涙とリセット

今回の旅の5分の1が過ぎた。

早いと言えば早く感じるが、長いと言えば長く感じる。今日明日は泊まっている所が自然の中すぎて、Wi-Fiもうまく拾えず、なかなか更新できなさそうだ。
若い子たちが大騒ぎしているが、こないだのような都会的テクノでなく、ヒッピーな感じ。

雨水利用のみで水が出にくいから、シャワーは2分まで。生ゴミもコンポスト用に分別、洗濯機は無し。気に入って長く滞在している人たちが多そうな感じで、そんな人たちはたぶんほぼ同じ服のまま過ごしているのだろうか、皆ちょっぴり汗臭い。
たぶん私も月曜日には少し薄汚くなっているだろうが、誰もそんなことは気にしないだろう。

今日も色々あった。午前中から午後にかけては3時間くらいトレッキング。もう体力の限界だ~引き返そうかな、という迷いに、もう二度と来られないかもしれないから見ておこう、という粘りが勝り、やり遂げた。

頑張って歩いた甲斐があった。
本当に良かった。
中でも「カウリ」というニュージーランド特有の木の保護林は、amazingだった。

樹齢1200年のカウリは、優しいおばあちゃんのようで、他の周りの木々も皆、遠い昔から家族だったような、木から伝わるぬくもりの氣。
私はただ立ち尽くして、涙を流し、ありがとうの気持ちが溢れてしばらく動けなかった。

カウリの保護林の入り口と出口にあるゲート。オレンジのところのブラシで靴の汚れを落とした後、黒い四角のステップに乗ると、下から消毒液がスプレーされる。

帰り道のトレッキングロードも、最高の眺めだった。
お天気にも恵まれ、ペラペラの靴で歩いてしまった足裏は悲鳴を上げていたけれど、満足。

夕方のフェリーでワイヘキ島へ。ここへは、オークランドから来るフェリーの方がメジャーで、コロマンデルからのフェリーの情報が少ないとは思っていたけれど。。。まさかの着いたフェリー停泊所が、島の正反対。
考えてみれば、西にオークランド、東にコロマンデル半島があるので、同じ停泊所でなくて当たり前なのだけど。
宿泊先までのバスなど見つかる訳もない。


どうなっているんだ・・とぼんやり困っていたら、「何処へ行くんだ?」と老夫婦が声をかけてくれ、ちょうど島の反対側へ行くから、と車に乗せてくれた。

神様ありがとう!!!!

本当にラッキーだった。だってその後、何もない山道を、30分くらい走りつづけたのだから。。。おかげで一人では行かなかったであろう、島の数々のワインヤードを、(泥汚れでほぼ見えないものの)車の窓から垣間見ることができた。
これを、人っ子一人いない港から、私はどうやってこなせただろう。
おじさん、おばさん、本当に、ありがとう。
そして彼ら二人しか、その港に居なかったという奇跡。。。

何もかも自分で組み立てるひとりの旅をすること。
それは、自分を試すこと、いったん自分の築き上げたものをリセットして、ごまかしていたものを手放すことでもあるような気がする。

いつもある安定した生活の中で、つい当たり前のように得ている奇跡に感謝を忘れ、少しのことがうまく行かないだけでイライラし、自分にはコントロール能力があると思って生きてしまってはいないか。

自分の「日常」から離れたとき、
自分の「常識」が通じないとき、
あなたはどんなふうにあなた自身と向き合い
人を、物事を、世界を見るのか。

そんな風に問われることが、ひとり旅にはあって、
どんどん緩くなり
どんどん許していき
どんどん開放していく

それが幸せへのヒントなのかなと、感じたりする。

だってさ、何言ってるかちっとも分からない発音や言葉を前に、
分かるように話してくれって必死になるより、
この人きっとこんなこと言ってるんだろうな、と表情やら声色から読み取って、分からないことはどんどん聞いてみる。その方が、こっちも向こうもきっと楽しいよね。

コミュニケーションの本質に出会うには、いったんそれが成り立たないところに置かれた自分に気づく必要があるのかもしれない。

子育てもそうだけど。

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