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地を這うような人生

「罪の声」(2020年)鑑賞。

※Filmarksより

35年前、大手食品会社をターゲットとした脅迫が相次ぎ、犯人逮捕に至らず未解決となった『ギン萬事件』。世間を騒がせた大事件を新聞記者、阿久津は改めて追っていた。京都でテーラーを営む曽根は亡き父の遺品の中からカセットテープを見つけるが、録音されていたのは企業の脅迫に使われた子どもの声で…


重い。内容としては重い。
なのだが、なにより見終わって一番に脳裏に浮かぶのは宇崎竜童さん(シブすぎ。ノックアウト)と宇野祥平さん(完全憑依)。
お二方ともインパクトありすぎ。そしてロンドンは素敵すぎた。

好きな場面は、新聞社社会部のデスク鳥居(古舘寛治)と記者阿久津(小栗旬)が、二人で熱く語るシーン。
重要人物である『声』の主、曽根(星野源)に取材を断固拒否され、マスコミのあり方について語ります。

「事件を騒ぎ立てたマスコミの責任を今こそ取り直すべきだ」
という鳥居に対し
「結局この事件をエンタメとして消費していることになりませんか?」
と阿久津記者。

か、カックイイ。
真面目だ。真面目なシーンが好きだ。
鳥居も阿久津もどっちも、真面目だから、本気だからカックイイんだ。

未解決事件を追うおもしろさもあるけれど、
なにも知らないまま大事件に関わってしまっていた幼い子どもたちの、被害者としての苦しみ、彼らが歩むことになってしまった悲惨な人生の方がメイン。
作中お源さんの人柄が滲み出るような、テーラー曽根のあたたかい雰囲気には救われた。


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