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ミサトさんを助けたかった

エヴァが好きです。恥ずかしながら、序破Qを急いで観てからシン・エヴァを観に行った新参者です。でも、エヴァが好きです。

何度観ても何度考えてもわからないストーリーも好きですが、それ以上に、どうしようもないほど愚かなキャラクター達に惹かれます。

アイドルは男性、アニメは女性キャラ、と好みがはっきりしている私が最初に引き込まれたのは、綾波でした。林原めぐみさんの、あの空気に溶けそうな世捨て人みたいな声。知識ゼロで初めて観た時「灰原さんやん…」と感動したことは忘れられません。登場人物の中で一番色気を隠しきれてなくて、いじらしくて放っておけない雰囲気に、同性ながらもウホウホしておりました。

マリとアスカのニコイチは、正反対の2人だと思います。才色兼備で努力家で、最後まで絶対に諦めないTHE・陽キャのマリは、私の憧れです。「こうなりたいな」の全てを持ち合わせている人。しんどくなった時、マリの言葉を思い出すことがあります。一方でアスカには「わかる…わかるよ」と共感してしまいます。彼女は執着の塊ですよね。こうなりたい、というイメージは立派なのに、どこにも行けないでいる。でもその願望から逃れられないから人一倍苦しいのです。シン・エヴァの後半、アスカがやられるシーン(で伝わりますかね?笑)では、身を滅ぼすほどのアスカの執着に思わず涙してしまいました。

そうそう、忘れてならないのは「りっちゃん」です。仕事一筋に見えて実は、ミサトさんの10倍こじらせているりっちゃん。好きなんですよね。私自身、総合職で入社→管理職みたいなミサトさんタイプよりも、技術職で入社→リーダーのブレーンというりっちゃんタイプの働き方が理想だからでしょうか。りっちゃんの人生に多大な影響を与えている「母親」という存在も、少しわかる気がします。


ここまで、エヴァの女性キャラで惹かれる人達をお話してきて思うのは、私はミサトさんが一番理解できない、ということです。でも同時に、ミサトさんが生き続けていたら世界はもっと楽しい場所だったのではないか、とも思うのです。

ミサトさんって楽しいし不思議な人ですよね。美人で大胆で強情で喜怒哀楽が激しいのに、部下に厚く信頼されている。そして多分、エヴァの女性陣の中で一番可愛げがあります。

彼女がいなければ、とっくの昔に世界はゴンボホリ(北海道・東北地方の方言で、「ゴボウを掘る」が訛って子供っぽく駄々をこねるという意味になった。またの名をゲンドウと言う)の手に渡っていましたよね。


詩人の最果タヒさんが以前、こんなことを書いていました。


このエッセイを読んでいませんが「どうしてミサトさんは死ななければいけなかったのか」私は今でもそう考えていて、タヒさんの言いたいことの少しは理解できているのだろうと思います。

あの戦いではどうしても、ミサトさんの死が必要だった。きっとそうなのでしょう。それは同感です。あのシーンだけ観たら。

円環の物語であるエヴァがTV版+旧劇場版、新劇場版、そしてシン・エヴァというそれぞれの独立した物語だとしても、やっぱり前作を引きずりながら観てしまうもの。

そうなると、私はどうしてもミサトさんの食生活が気になってしまうのです。

前述のタヒさんのエッセイにあるように、ミサトさんが選んだものは「世界を“みんなのもの”として取り戻すこと」。逆に言えば、それ以外のことは捨てなければいけない、幸せになってはいけない、そんな風に自分で自分を呪縛するようなところがあったのではないか。そう思えてしまいます。

お洒落に気を遣っているようでも、そこに意味は求めていない。カジと恋愛し、子供を産んでもそれさえも手放す。エヴァで最も孤独な世捨て人は、レイでもゴンボホリ(ゲンドウ)でもなく、ミサトさんだったのではないかと私は思うのです。

ビール、缶コーヒー、カップ麺、酒のアテ。彼女はそれらばっかり口にしています。そんな食生活でよくもあんなブラック企業の幹部まで上り詰めたな、というくらいです(アニメだからだよ)。カッコいいキャリアウーマンなのに不健康なダメダメっぷりというのが彼女の魅力のひとつかもしれません。でも「食べた物がその人の心と体を作る」のだから、もしも健康的なミサトさんだったら、少し運命が変わっていたんじゃないかと私は考えます。

体に優しい食生活で長生きした、ではなく、体に優しい食生活がひとつひとつの選択・判断を死から遠ざけるものにしたかもしれない。いくらアニメとは言え、ミサトさんには生きて笑っていて欲しかったです。


なぜこんな文章を今日、書いたのでしょう。それは私が今日、ジャンキーな物を食べたくなったからです。食事前で空腹だったせいもありますが、すごくお菓子を食べたくなりました。

なんとなくですが、お菓子を減らしてからは気持ちが晴れやかな時が多いです。その代わりにバナナやナッツ、昆布を食べています。今日もなんとかお菓子を食べず、お昼にこれらや納豆餅を食べて満足しました。

そうそう、あとは胡麻豆腐。香ばしいプリンという感じで、とっても好きです。余談ですが今年は胡麻豆腐や湯葉が食べられる、山の中に行ってきます。その時の紀行文なんて書けたらいいな。

https://www.kuonji.jp/


でも、DaiGoさんの弟も言ってたけれど、ジャンキーな物って美味しいですよね。完全にやめるのは無理です、やっぱり(笑)。だから旅先では美味しい物をいっぱい食べて、ゲンドウ化したミサトならぬ、ミサト化したぽんまゆになってやろうと思います。

今年もどうぞよろしくお願いします。


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