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【ショートショート】BGMはクシコスポスト【スナイパーの意外な使い方】

   BGMはクシコスポスト

 N氏は狙撃手を雇った。銃の扱いに関して彼の右に出る者はいない。
「当日はこいつを使ってくれ」
 N氏は狙撃手に、粗末な銃を手渡した。
「銃弾はいらん。そのままでいい。ヤツは空から来る」
 N氏は煙草を口に咥えた。「禁煙じゃないのか」と狙撃手が片笑いを浮かべる。
「ココアシガレットだ」とN氏は答えた。ぽりぽりと音がする。
「部下からの合図に合わせて、引き金を引いてくれ」
 N氏はぽりぽりと音を立てながら狙撃手に指示をした。狙撃手は頷き、当日に備えた。

 当日。
 広場には子供の大群。それを囲うようにして大人たちが揃う。
 地面に引かれた線のすぐ傍が、狙撃手の待機場。愛銃は休暇中。今の相棒はN氏から渡された小さな銃。まるで子猫ちゃんだ。小さくて可愛らしいが、用は足りる。
 合図の声がする。狙撃手は天高く銃を構える。N氏の部下がゆっくりと口を開く。
「いちについて、よぉーい……」
 引き金に手をかけると同時に、子供たちが一斉に走り出した。


 毎週ショートショートnote
 お題「スナイパーの意外な使い方」
 文字数410字

気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)