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【ショートショート】誇り高き聖戦【塩人】
誇り高き聖戦
「てめぇ! ふざけんな!」
カフェに悲鳴が上がる。N氏はフォークを置いて、伸び上がって様子を見た。男が二人、取っ組み合いをしている。
N氏は席を立ち、喧嘩をする二人の間に割って入った。
「なんだ、お前!」
「すっこんでろ!」
男たちが声を荒げるが、N氏はにこやかに告げた。
「君たち、喧嘩なら外でやりなさい」
男二人は顔を見合わせた。興が冷めたのだ。N氏は彼らが食事をしていたテーブルを見た。目玉焼きが二つ。
それぞれマヨネーズと醤油がかかっている。
「はぁ!?」
突如大声を上げたN氏に、男二人は跳ね上がった。
「目玉焼きには塩と相場が決まってるだろ!」
「あ? コクの増えるマヨが至高」
「黙れマヨラー。日本人なら黙って醤油だ」
N氏は上着を投げ捨てた。
「表に出ろ!」
Tシャツには「塩人」と書かれている。
「塩分ジャンキーかよ」
「じゃあ醤油でもいいじゃん」
「黙れ」N氏は吼えた。
「塩人の誇りにかけて、負けるわけにはいかないのだ」
毎週ショートショートnote
お題「塩人」
文字数409字
気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)