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創作短編集

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私が書いた創作短編をまとめたマガジンです。 今後記事が増えたとき、こちゃこちゃするかもしれないと思ってまとめてみました。
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2024年4月の記事一覧

【短編小説】赤い空の下で

「死ぬかと思ったよぉおお!」  魔物退治に失敗した魔物退治屋の女が、アカツキに担がれた状…

5

【短編小説】ワインパーティー

 酒場・髑髏の円舞――。  その席の片隅でノアとラスター、コバルトはボックス席の片側にぎ…

7

【短編小説】願望

 彼女のことは、嫌いではなかった。話をしていて楽しいと感じていたし、底抜けの明るさに救わ…

6

【短編小説】己が信ずる夜明けに向かって 4話(最終話)

「地区の医者はもう手が塞がっています」 「中級程度の治癒の魔術なら展開できますが……」  …

5

【短編小説】己が信ずる夜明けに向かって 3話

 ――数刻前。  地区の店はコガラシマルにとってちょうどいい。澄んだ冬の空気を思わせる肌…

3

【短編小説】己が信ずる夜明けに向かって 2話

 紅茶に湯気が立つ。  ヒョウガはどこか落ち着かない様子でレモンのはちみつ漬けを浮かべる…

5

【短編小説】己が信ずる夜明けへ向かって 1話

 庭先で趣味の園芸をしていたラスターは、こちらにずんずんと歩を進めてくる影に飛び上がりそうになった。何故か覇気迫る表情のシノの後ろを、弟のアカツキが陰気な顔でおとなしくついてきている。ラスターは自分の後ろを見た。ナナシノ魔物退治屋拠点の家が普通に建っている。続けてラスターは時計を見た。朝の六時半。  ……六時半だそうだ。 「おはよう、ラスター」 「早いねぇ」  ラスターは土を撫でながらシノの声に応えた。 「朝食も食べるか?」 「軽く済ませてきたわ」 「そう? 今うちの専属シェ