おとこハウスもあんの?
【Preface】
Hi guys, how's your day going?
どうも、南半球で日本より1時間早い世界線で生きている柑橘です。
今日の午前中。学校英語叩き上げコミュ力依存英語のツケが回ってきました。
今日は1日中、なんなら今思い出しても口角が上がるくらいおもしろかったので、いそいそとサムネまで作って記事にします。
【How much do we charge?】
今日はキュランダのお土産物屋さんでのシフトでした。山道を20分ほど、BUMP OF CHICKENのHAPPYをMVと共に大熱唱したり、曲に合わせて変顔体操をしたりと、運転しつつも忙しく出勤し、朝イチのエクササイズとばかりにイートイン用のテーブルやら椅子やらを運び出す、それはそれは健全な、いつも通りの朝でした。
お客さんの大半は当然のごとく観光客なのですが、一部近所に住む常連さんや、同じようにキュランダで働く従業員さんなんかもコーヒーや軽食を求めて来店してくれます。その人たちは、上司やチーフと親しげに喋り始めるので、聞かずともなんとなくわかるんですね。
常連一軍のバイカーイケオジたちはだいぶ顔と名前と好みのオーダーを覚えてきたのですが、週2.3日のシフトでは、さすがに全把握とまでは程遠い。そして、常連割引というか、まあ当然サービスするんですが、価格は完全に店長のさじ加減。まだこのお店でフルタイムよろしく入る話になっていた時に、ちゃんと覚えようと思って聞いてみたことがあります。
It depends.で始まり、You know, it really depends.で締められた時に、決めました。どんなにうざがられても毎回聞こう。これぞ匙加減!
そして今日は、「制服着てるからコアラガーデンの人なんだろうけどコーヒーいくらにしてるんだろ」なおじさまが来店されたのです。残念ながら店長に促され、オーダーを取るべくカウンターについた私。当然彼にいくらでコーヒーを提供すればいいかなど分かりません。そこで横ですでにコーヒーを挽き始めていたチーフにこっそり尋ねたのです。
How much do we charge from him?と。
【おんなハウス!!】
そして、サムネの"ニホンゴ"が私の耳に飛び込んできたのです。否、彼女は歴としたAussie Woman。上司(奥さんの方)は日本人だし、日本人のママ友もいるので多少日本語がわかるとはいえ、口から出てくる単語は「コニチワ」と「アリガトー」くらい。いや、もう一個あった、「ムシムシ」だ。こんにちは、がうまくいえないので違う挨拶を調べたらしく、やたらこれを練習したがるんですよね。We use it only for answering a phone call.って何回も言ってるんですけど、なぜか聞く耳持たずに使おうとします。そろそろ読者の皆さんもなんのことだかお分かりでしょう。「もしもし」です。ただ彼女の発音は、日本人にはどう頑張っても「ムシムシ」に聞こえるんです。可愛い。
うなじに「希望信頼」と明朝体で刺青の入っているチーフの話はさておき、本題の「女ハウス」です。想像してみてください。先輩に、「これいくら払って貰えばいいですか?」と聞いて、「おんなはうす!」と受け取った私の脳みそを。
お客さん男だけど……???
【F*cking Linking & Idiom!!】
やだなぁ、曲がりなりにも英語圏で一年生活してるし、そもそも曲がりなりにも英語講師しながら大学で英語学を学んだんです。「おんな」が日本語のwomanではないことはさすがに瞬時にわかりましたよ。ただ、冒頭でも言ったように、私の英語は学校英語叩き上げコミュ力依存タイプ。思考ベースも耳も完全に日本語なんです。ポクポクチーンて木魚からのおりんが鳴り響いてしまったのも許してほしい。
on a houseと言ったのはすぐに脳内変換できました。1秒後くらいには。問題はその意味。
知らないって言ったら火星人だと思われても仕方がないような単語の羅列なのに、文脈もあるのに、わかんない!!!!!!
すでに意味を聞いた後で考えれば、どうしてこの3単語でそういう意味になるのかは繋がるし、推測もできたなぁとは思うんですよ。でも、その時の私は「女ハウス」の不意打ちで完全に脳波が乱れていました。やられたよ……。人間が発揮できるクオリティって、めちゃくちゃ不安定なんですよね。再確認しましたわ。
【Who Is In A House?】
この章のタイトルが、このクソッタレなイディオムを理解するためのヒントです。
お客さん:customerを、来客:guest/visitorと読み替えます。
そうすると、
対照関係として、お店側:cafeが、hostになりますよね。
hostはhouseにguestを迎え入れる、と。
文脈があることと、口語であることでSVが吹っ飛ばされたのも、私の思考力を吹っ飛ばす一因になっていました。主語と動詞を補うと、以下のようになります。
It's on a house.
His bill is on a house.
彼のコーヒー代はホスト持ち!!!!!!
not on a guest というわけです。
このシナプスがつながった時の快感ったらありませんでした。AHA!!!とはよく言ったもの。商標取るのもわかるわ。
蛇足ですが、サッカーや野球なんかでもこの概念ありますよね。
ホーム試合とアウェー。英語ではアウェーの代わりにビジターを使います。「敵方のホームに出向く」からですね。
てな訳で、チーフに「女ハウス!」と2回言わせたのち、呆れ笑いと共にFor free!!!と言われたぽんこつが今日のハイライトです。
おそらくですが、on a houseの方が婉曲表現ぽいので、粋なんだと思います。その彼女に「タダだよ!!」と言わせてしまって、後でちょっとごめんて思いました。でもしゃーないよ、わかんなかったもん。教えてくれてありがとう、もう一生忘れない。
【Postscript】
いやはやどうして、言語とかいうものは奥が深いですね。あまりに深くてそこが見えないので、時折深淵を覗いてまた覗き返されているかのようなちょっとおっかない気持ちにもなります。でも同時に魅せられてしまったからこそ嬉々として今日の阿呆を書き上げているわけですから、救いようがありません。
面白いことに、今日のCairns Life Recordにはネタがあるぞ!と喜び勇んでライブをしたら、普段は一人も来ない10分間に2人も来客がありました。しかもうち1人とはありがたいことに日英入り混じってのお喋りとなりました。もちろんきっかけは「女ハウス」です。
音声が気になる方は以下からどうぞ。
全くどうして、これだから英語圏での生活はたまんねぇや。
ではまたみなさん、どこかでお会いしましょう。
Thank you for reading.
Hope to see you soon!
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