「英検で生活が変わるわけー?まさかよー!」といっているあなたへ。間違って英検準1級の一次試験に合格しちゃいました!

私は、英検にこの間からしつこく書いていたが、なぜか一次試験に合格した。いやはっきりいって、自己採点は71点しか取ってなかったので落ちたと思った。リーディングでは全く時間が足りなくなり、全部で4題を10分で解いた。リスニングはわからないところだらけで、取るところがなかった。涙が出そうだった。


あーあと思い、帰路に向かった。知り合いの生徒が手を振っていたが、落ち込みが激しすぎて無視しようかと思ったくらいだ。


単語と英作文で点数を稼いだのだろうか?とにかく採点方法が妙で、CSEスコア換算で表記されている。P1+3とあったが一体何のことだかさっぱりわからない。「ん? 71点じゃなかったんだな。」と思うしかない。田舎に住んでいるとこれだから困る。


2次試験対策をしておらず、私はとても焦っている。だいたい受かると思っていなかったからびっくりした。

一方、私が住んでいる県内では「慰霊の日」が近くなり、終戦記念日のような、お盆とは違った厳粛な雰囲気に包まれている。心なしか空気も濃い。

知り合いは「おばあが亡くなった」「慰霊の日前後には、たまーにあることさ」とささやきあっているのが、ここらしい会話だ。 ああ、そう言えばここも沖縄なんだなと思う。 だからなのか、2次試験ってなんだっけ?とつい自分のことを忘れてしまいそうになる。いきなり心が、タイムスリップした。


沖縄本島に住んでいた時、集落の忠霊塔ちかくで、18年くらい前の慰霊の日に「南洋小唄」という民謡を三線とともに口ずさんでいたことがある。


集落の知り合いが「いぇー、汝(ぃや)ー上等、んり。」(あら、「アンタ上手ね」ってよー。)といきなりニコニコして近寄りながら、おばさんが私に話している。「誰?」ときくと「日本の兵隊と、女がよー、アンタには見えんか?」という。横でさっきから聞いてたよ、アンタの歌をほめてるさ、というのだ。おばさんは「見る人」で、沖縄ではよくあることなのだ。


当時は「慰霊の日」の意味もわからなかったから、ビックリして私は逃げ帰った。しかし、このおばさんは内地出身の自分に、何か言いたかったのかもしれない。叱るでも、諭すでもない、沖縄らしい方法で。


現在自分のいる島では子どもたちが毎日、平和を祈るための歌を練習している。「月桃の花が揺れて、花が咲く季節になったら先人たちを思い出すように、優しい心を忘れないようにしよう」という、そういう歌だ。この優しすぎる歌は、自分の英検という一大事をも些末な出来事にしてしまう。


歴史とか郷土愛という、かなり壮大なテーマに包まれるしか他にない日々に、受験勉強はつらく、またうすら笑いすら起こる。なんとこの、不謹慎なことよ。 ゆめ忘るなかれ、慰霊の日。



PS  どうか、みなさんのうちで英検受験経験者の方にお願いです。英検準1級2次を突破するためのいい教材はありませんか?



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