見えなくなる程遠くに ボールを投げれる強い肩

羨ましくて10歳ほど若返りたかった〜♪


 どうもこんばんは。
 突然ですが、最後に全力で走ったのはいつですか?恐らく思い出せないと思います。全力で走るという機会が、『全力で走るための場所』以外で訪れた時はつまり緊急事態だからです。
 街中で歩いている際に、突然全力疾走する人を見かけた時、あなたは『何か起こった?』と警戒しますよね。泥棒?それとも泥棒を追いかける側?はたまた通り魔?もしくは奇人?……そのどれにせよ、近づくと碌なことにならないので、恐らく距離を取るでしょう。つまりそれくらい街中で全力疾走というのは異常事態であり、無闇にやってはいけないこととされているのです。
 ある程度人口の多い都市の中で暮らしている限りは、サッカーや野球など運動をするための場所でなければ全力疾走をすることができないまま日々を暮らしています。ですから学生時代を過ぎたらそれからもう全力疾走をする機会が全く無いまま5年10年と過ぎていくこともZARAにあるでしょう。心当たり、ありますね?あなたも10年以上全力疾走していませんね?

 ところで僕は、最近ランニングマシンでランニングをする習慣がついたんですよ。偉いでしょう?あんなに嫌だった運動を!自主的にやる日が来るなんてね。しかも継続的にね。
 とはいえ、ランニングマシンで走っていても実際に走るのとではまた違うと思うので、試しに外で走ってみることにしました。
 外で走るというのも気持ちいいものです。ランニングマシンとはいえ普段から走っているおかげで、身体が軽いです。しかし風に乗って走っていると、それは起こりました。
 ものすごい凶悪な羽音が耳元を掠め、僕は反射的に手で払いました。すると羽音の主は、僕を追ってきたのです。羽音の迫力から僕の頭の中に『スズメバチ』という単語がよぎります。(ついでに『アナフィラキシーショック』とかもよぎります。まだ一度も刺されたことありませんけど)
 僕は全力で距離をとりました。ランニングよりも何倍もの力を脚に込め、全身全霊で逃げました。永遠にも思える時間でしたが、現実の時間にしたらほんの一瞬でしょう。なんとか脅威から逃れることができ、結局羽音の主はただのクマバチだったものの、しかしその全力疾走の影響は、翌日に表れたのです。
筋肉痛かと思いました?残念、筋肉痛は来てないのに、筋肉がダメージを受け過ぎて、動けないのです。具体的に言うと下腿三頭筋と思しき部分に負担がかかって、常に力が入らない感じになりました。僕はショックでした。翌日に筋肉痛が来ないことも含めて二重にショックでした。
 これまで結構ランニングをしてきた自信があったんですけど、それでも全力疾走とは使う筋肉が違うのか、ひどくダメージを受けてしまいました。これではいざゾンビに襲われた時に全力疾走ができませんね。備えておかなければなりません。
 ホラー系の動画を見ている時に、自然と鼓動が速くなりますよね?あれは全力で逃げる為の準備を心臓が先んじて始めてくれているわけです。動物で例えると、山を歩いていたら天敵の熊とかとばったり目が合ってしまって、まだ襲ってこないけれどいつこちらに走ってくるかわからない、そんな一瞬即発みたいな状態です。いつでも全力疾走できるように身体の血液だけ循環を良くしつつ後方へ後ずさる、そんな状態がホラー系動画を見てる時の身体の反応なわけです。

 人間も動物ですから、必要なのは長距離を長時間走り続ける能力よりも、必要な時に全力疾走する力なのかもしれません。他の動物が皆しているように、危険を察知した時に全力疾走する力、身につけてみるとひょっとすると本来の野生を少しだけ取り戻せるかもしれませんね。

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