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氷河期ゆとりZ世代が抱えるそれぞれの地獄

ロスジェネ氷河期世代が主役のオジオバSNSことツイッターである言説が広がっている。それが”氷河期世代、実は温暖だった説”だ。

ロスジェネ世代のオジオバはいつまでもグチグチと昔は寒かったと言ってるが何だかんだ今よりは生きやすかったんじゃない?氷河期とか言ってるけど令和の方が寒いっしょ』という意見がじわじわと若年層を中心に広がっているのだ。

就職氷河期を実際に体験したロスジェネ世代からすれば、オイオイ流石にそれは言い過ぎなんじゃないのか?と感じてしまうかもしれない。しかし今のZ世代がそのような意見を持つのには理由がある。ロスジェネ世代とZ世代、それぞれの世代には全く別の”辛さ”が存在しているのである。

そしてさらに注目したいのが、ロスジェネ世代に次ぐ世代人口を持ちながらもいまいち影が薄い世代、そうゆとり世代の存在である。

ロスジェネやZ世代に比べてゆとりが楽だったかと言われれば決してそんなことはないのであるが、ゆとり世代はどこか飄々と人生を過ごしている人が多い。

ロスジェネ世代、Z世代、そしてゆとり世代。それぞれの世代は一体どんな辛さを抱えているのであろうか?氷河期は本当に暖かかったのだろうか?


1.少数民族と化したZ世代の貧困と孤独

筆者は以前よりロスジェネ氷河期世代は日本の歪な社会保障制度を改革するための人柱、生贄にされると予想してきた。そしてその時期はロスジェネが後期高齢者となる20年後だと考えていた。しかしコロナ禍によって急加速した少子高齢化、インフレと円安による移民大作戦の頓挫により事態は急展開を迎える。

加速した少子高齢化を食い止めるべく、政府はあの手この手で若者に『結婚して子供産もう!』と呼び掛けてはいるが笛吹けども踊らず。出生数は右肩下がりを続けている。それもそのはずだ。今の若者は結婚して家庭を持つには金がなさすぎるのだ。

PRIME TIMES:2020年の世代別年収中央値。若者は200万円台しかない。


MONELY:平均年収は改善傾向であるがインフレがそれを帳消しにしている。

リーマンショックの時期に底を打った年収はそこから徐々に回復してはいるものの、いまだにロスジェネ世代が若かった20年前には追いつけていない。20代の年収だけに絞ってみれば、年収の中央値はなんと200万円台である。そこへさらに追い打ちをかけるのがインフレによる物価高と社会保障費だ。

世界の人口ピラミッド:カーフキック一撃で沈められそうな日本の人口ピラミッド

ただでさえ少ない若者の給与から容赦なく社会保障費が天引きされてしまう。残された手取りをインフレ下物価がさらに奪う。消費税も平成の間に5%から10%に増加している。

そんな現状を打破するために政治に訴えようとしても、Z世代は世代人数があまりに少なすぎて政治的発言力を持つことが出来ない。平均年齢48歳の高齢化ジャパンの主役は中年+高齢者のジジババオジオバなのだ。若者は今や日本の少数民族である。

さらに恋愛資本主義の社会への浸透と、ポリティカルコネクトレスの高まりによる女性に対するアプローチの高難易度化により、恋愛や結婚の難易度も平成に比べて上昇。稼ぎはあるのに結婚できない若者が世間に溢れている

稼ぎは少なく社会保障費の負担は大きい、政治的なイニシアティブが低く恋愛や結婚もままならない。Z世代は生まれながらにして夢と希望を持つことが出来ない世代なのだ。


2.夢と希望を失ったロスジェネ世代の憂鬱

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