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スナック嬢ガチ恋おじさん

スナック嬢ガチ恋おじさんをご存知だろうか?

スナック嬢ガチ恋おじさんとは、独身のアラフィフ以上の小金を溜め込んだおじさんが場末のスナックで金払いが良い客としてチヤホヤされているうちに、アラフォー辺りのスナック嬢にガチ恋してストーカーになり、スナックを出禁になってしまうおじさんのことだ。

繁華街にある妙に狭く活気がない、嬢もそれなりに年齢のいっているスナックを目にすることがあるだろう。若者からすれば若い女の子が沢山いて活気のあるキャバクラやガールズバー、コンカフェが近くにいくらでもあるのに、こんな場末のスナックに来る男なんているのか?と疑問に感じるだろう。しかし場末のスナックにしか満たせない需要が確実に存在している。

それは若い女の子を前にすると緊張してしまったり、あまりにも歳の差が開きすぎていてワンチャンを感じられないガチ恋おじさんたちの需要である。ガチ恋おじさんたちは若すぎる女性が苦手なのだ。あなたのまわりにも若い子が盛り上げてくれるキャバクラやガールズバーではなく、何故かおばちゃんメインのスナックに行きたがる先輩おじさんはいないだろうか?彼らの心の渇きを癒してくれるのが場末スナックなのだ。

もちろん既婚者の中にも場末スナックを愛する男性はいるが、彼らがストーカーになる例は少ない。それは彼らには家族がいて、妻や大きく育った子供たちがいるからである。子の年になるまで積み上げて来たものをぶん投げてまでスナック嬢に入れあげる既婚おじさんはほとんどいない。既婚者には『家族や子供たちに恥をかかせてはいけない』という心理的ストッパーが働くからだ。一部のスケベ既婚者ジジイが火遊びでスナック嬢と浮気することはあっても、ストーカーになり家族を捨てるほどに入れあげる事例はほとんどない。

しかしスナック嬢ガチ恋おじさんは違う。ガチ恋おじさんは既婚者スケベジジイと違い、性欲だけでなく心からスナック嬢に恋をしてしまうのだ。スナック嬢ガチ恋おじさんは既婚者に比べ異性との交流経験が少なく”おぼこい”ことが多い。スナック嬢のサービストークを最初のうちこそ『俺が良いお客さんだから言ってくれてるだけだ』と自省し心のガチ恋を抑え込んでいるが、誕生日にお気に入りの嬢からプレゼントを貰い、お店でお祝いしてもらうなどの心温まるイベントを経験するうちに『もしかして彼女、俺のこと本当に好きなんじゃないかな?ここは暴力性を出して押すべきなんじゃあないか?ツイッターでもよくそう書いてあるし!』と心のガチ恋おじさんを抑えきれなくなり年甲斐もなく猛烈なアタックを始めてしまう。その結果待っているのは心の癒しであったスナックの出禁である。

ガチ恋おじさんになりやすいタイプの男性とは、異性関係には奥手だが性格は真面目で、働いてお金をコツコツ貯めて来た独身おじさんが多い。そう、先日の記事に書いた『お金使えないおじさん』がもし未婚のまま45歳を超えアラフィフに突入してしまった結果、ガチ恋おじさんにメガ進化してしまう危険性が高いのだ。

人は誰もが孤独と孤立には耐えられない。そして恐ろしいことに年老いた中年や老人が孤独を癒すためには莫大なコストがかかってしまう

以前の記事でもふれたとおり、独身中年は社会から警戒され疎外される存在である。『何か問題があるから未婚なのではないか?失う物がない危険人物なのでは?』と見られてしまうからだ。そうなるといくら下手に出てコミュニティに加えて貰おうとしても、なかなか心を許してくれる友を作ることは難しい。若者であれば喜んで受け入れてくれるコミュニティも、独身中年となるとシャッターを下ろされてしまう。そんな社会から疎外される独身中年も、お金さえ払えばお客様として人間扱いしてもらえる空間がある。その代表的な場所が場末のスナックなのだ。

しかしそのためには結構な額のお金が必要になってくる。毎晩のように女性のいる飲み屋に通うことを考えれば当然である。サラリーマンおじさんが貯めたある程度の貯蓄なんてすぐに吹き飛んでしまうのだ。

ネットでは『結婚して子供を養育するのはコストがかかり、広い住居を買うためには住宅ローンも組まないといけないしでとにかくコスパが悪い。独身なら教育費も住宅費もかからないので老後資金もためられてコスパが良い』という意見を目にするが、あまりに浅はかと言わざるを得ない。独身アラフィフおじさんの孤独を癒す行為はめちゃくちゃコスパが悪いのだ

そして恐ろしいことに、そんな独身アラフィフおじさんを狙う詐欺師も沢山存在する。お水の女性による結婚詐欺や、女性を紹介するとうそぶき金をせびる半グレや反社もどきのオヤジ……そういったハイエナたちに群れから孤立したガチ恋おじさんは常に狙われているのだ。

結婚して沢山の人間とかかわり、信頼関係を気づいている親父さんであればすぐに気が付くような怪しい話でも、相談する相手もいないガチ恋おじさんはあっさり引っかかってしまう。人間も動物であり、群れから孤立することは身を危険に晒す危険な行為なのだ

こうして家族がいれば家族旅行や新居購入に使われたであろうガチ恋おじさんの貯蓄は、場末のスナックや詐欺師の懐を潤すことに使われてしまうのである。あまりに悲しすぎる現実だ。貯蓄もほとんどなくなり、GUやワークマンで衣服を買い、半額弁当を食べて捻出したお金でスナック嬢へのプレゼントを買うガチ恋おじさんにならないために、若者は遅くとも35歳までには婚活を頑張るべきである

かねてより筆者は45歳独身狂う説を提唱してきた。スナック嬢ガチ恋おじさんもその一例に過ぎない。スナック嬢ガチ恋おじさんはまだ貯蓄を持っている正社員の独身おじさんであるだけまだ救いがある方だ。もしお金がなければ人に孤独を癒して貰うことが出来ず、結果手を出すのがアルコールやギャンブルである。これらはスナック嬢にガチ恋して通い詰めるよりは安価に孤独を紛らわせることが出来る。しかし背負うリスクはスナックを出禁になることの比ではない。

もちろん既婚者でも年齢を重ねていく中で何かに狂う人は多い。しかし大切なのは”狂い方”である。既婚オヤジと未婚オジサンでは狂い方に実は大きな違いがあるのだ。ではどういったメカニズムで双方の狂い方に相違が出てくるのであろうか?

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