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女は働く気がないってマジ?

ツイッター激論案件の中でも殿堂入りしているほどに度々大炎上している話題がある。それが”女性の労働意識の低さ”についてである。

早速だが結論から言おう。

女性は労働意欲はあるが男性に比べると低い人が圧倒的に多い。

この問題を考えるうえで大切な視点が、『多くの男性は働くことへの意識が非常に強い』ということだ。男は仕事を求めているのである。某SNSや某匿名掲示板を見ていると勘違いしそうになるが、俺は一生働かなくてもいいや、と心の底から思っている男性は実はほとんどいない。

男にとって仕事とは人生でありアイデンティティの大きな一部分である。仕事と稼ぎが男の人生を決めると言っても言い過ぎではないだろう。男は誰しもが人の羨むような職に就き、大金を稼ぐ生活を夢見ている。立派な仕事に就きお金を稼ぐことで男はライフステージを前に進めていくことが出来るのだ。

それに対し女性はそうではない。女性にとって仕事の地位は男性ほどに高くはない人がほとんどだ。何故なら女性の人生においてもっと大きなアイデンティティとなっていることがあるからだ。それが結婚と出産である。

女性は結婚し子供を産むことができる。なので男のように仕事、つまり金を稼ぐことに人生を捧げなくても社会に大きく貢献できる存在なのだ。現に女性が子供を産まなくなったため少子化が進み日本のみならず世界が大混乱している。女性が子供を産むという行為は、男がどれだけ身を粉にして働いても埋め合わせが出来ない。出産とは人類を存続させ進化させるための奇跡の行為なのだ。

しかしこの凄すぎる出産の力があだとなり、女性は長い間、家庭という檻に閉じ込められてきた。今なおタリバンなどは女子教育廃止を唱えて女性に早期に結婚して子供を産むだけの人生を送るよう圧力をかけている。

そんな理不尽な社会はいけない!と先進国は人権意識のアップデートを続け、近年ようやく女性は子を産み育てるだけの人生から解放され、男性と同じく自由に働いて社会奉仕、社会貢献、自己実現ができるようになった。ハッピーエンドだ。しかしどうもおかしい、何かが違う。そのことに先進国は気が付きだしている。

女性の社会進出が実現した結果待っていたのが、女性は男ほど仕事に命をかけないという現実であった。

男のロマンや夢、野望が絡むと頭ドラゴンボールになって命を削って働く生き物である。そんな働きか方が当たり前になっていた男気企業資本主義社会に、『いや命削ってまで働くのは馬鹿でしょ、子供も産みたいのに仕事にそこまで人生ささげるわけないじゃん』という生物として至極まっとうな意見をいう女性社員が大量に流れ込んだのだ。

これにより男性社員たちの意識もアップデートされていった。『確かにそうだよな身体とか壊すなんて馬鹿らしいよな。これからはほどほどに働こう』という意見が増えはじめ、それに対して『何情けないことを言ってるんだ、仕事なんだから必死にやらなきゃだめだろう!』という昔ながらの意見を持つ男たちは反発し、様々な多様性ある意見交換がなされるようになった。

仕事以外にアイデンティティを持てる女性が職場に現れたことで、仕事一辺倒の男性倫理全開だった企業資本主義そのもののあり方が今やガッタガタに揺らいでいるのである。

さて、女性の社会進出の裏で実は男性にも新たな時代の波が来ていたのに気づいていただろうか?それは育児への参加である。これまで仕事と稼ぐ金の量だけが社会人男性のアイデンティティであった時代が終わり、イクメンという呼び名の新たな社会貢献の機会が男性にも与えられたのである

これまで女性が独占してきた未来の子供たちを育てるという社会貢献、奇跡のお手伝いが男性にも求められる時代となったのだ。これによりこれまでの男気仕事倫理、仕事アイデンティティ論はさらに混乱をきたすこととなる。それはなぜか?

男性が育児の楽しさに気が付いてしまったのだ。そう男にとっても育児は思いのほか楽しかったのである。これによりさらに男気仕事社会、命をかけて働くことをアイデンティティとしてきた社会はその根っこからグズグズと崩れ出すことになった。

育児に積極的に参加し、子供を愛することをアイデンティティにした男たちは昔にように命がけで働らかない存在へとアップデートされたのだ。彼らは子供のために定時に迷わず帰るし、休日出勤も嫌がる。アップデート出来ていない頭ドラゴンボールのまま歳を取った上司たちはジェネレーションギャップにびっくりである。何でも言うことを聞く頭ドラゴンボールの体育会系の人気が再燃するのもうなずける

労働という男たちが作り上げて来た神聖な行為は今や女性の社会進出によりメッキがはがれボロボロだ。これから始まる異次元の少子化対策により仕事をアイデンティティとする男たちはさらに激減してくであろう

産まねば人にあらず、働かねば人にあらず、男女にかけられた呪いが人々の人権アップデートにより霧散した結果、『ほどほどに働いて子供ができたら働き方を変えるか仕事を辞めればいいか』と考える女性と、『家族や自分の時間を大切にして仕事とは適度な距離感を持ってやっていこう』、と考える男性がマジョリティとなったのが現代社会なのだ。

このように女性の社会進出と男性の育児参加によって、男性の労働へのモチベーションは大きな変容を遂げている。しかしそれでもなお、女性の労働意欲と男性の労働意欲の間には実は大きな格差が存在しているのだ。それが

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