地銀再編と地方創生の矛盾
本日はこちらのニュース。
人口の減少などで地方銀行の経営環境が厳しさを増す中、政府と日銀は地銀の経営基盤の強化を制度面から後押しする方針です。地銀の数が多すぎるという指摘も根強く、ことしは実際に再編が進むかどうかが焦点になります。
私は地方銀行の再編に反対の立場です。改めてそのことについて書こうと思います。
地方銀行の収益が悪化している理由
全国に101行ある地方銀行は人口の減少や超低金利に新型コロナウイルスの影響も加わって経営環境が厳しさを増す中、経営基盤をどう強化していくかが共通の課題になっています。
地方銀行の収益が悪化している理由として挙げられているのが
①人口減少 ②超低金利 となっています。
どちらも地方銀行に責任はありません。
人口減少は政府が緊縮財政を続け、結婚出来るだけの所得を稼ぐことの出来ない若者を増やしたことが大きな原因です。
超低金利は「金融緩和を行えれば、金利が下がり企業が投資を行うようになりデフレ脱却出来る」というリフレ派の理論に基づいて行われたものです。しかし、実際はどれだけ金融緩和を行って金利を下げたとしても、需要がない限りは投資を行おうとする企業は少ないです。
そのため内部留保が積み上がり、デフレ脱却は出来ませんでした。消費税増税による影響もかなり大きいですが、金融緩和は財政出動と組み合わせて行わなければ効果が薄いことが明らかとなっていると思います。
以上、2点は地方銀行に責任はありません。地方銀行は政府の失策のせいでその煽りを受けてしまっている状況です。
地方銀行が地方経済を支える
日本のような災害大国では人口の一極集中は非常に問題です。自然災害は人口が集中していようがいまいが関係なく襲ってきます。そのためある程度日本国内で分散して暮らす必要があります。
そのためには地方に雇用がなければなりません。地方銀行は地元の企業に特化して仕事を行うことが出来ますからその地方の企業に対する専門性も高いでしょう。
それを再編によって減らしてしまえば、雇用は減り、地方の衰退は進み、企業にとってもこれまでのような手厚いサポートが受けられなくなってしまう恐れがあります。
地方を衰退させたい菅内閣
菅内閣は中小企業の再編も同時に掲げています。地方銀行を再編によって減らしていけば自ずと中小企業もその煽りを受けることになるでしょう。
菅総理にとって地方は外国からの観光客を相手に商売をしていればいいといった考えなのだと思います。余計な企業は取っ払ってしまえ、ムダ削減だ的な発想ですね。恐ろしい。
さらには地銀再編の音頭を取っているSBIホールディングスにとっては大きなビジネスチャンスです。SBIの社外取締役には竹中平蔵氏がいます。彼は自分の利益拡大のために地銀再編を推し進めようしているのだと思います。
東京一極集中化を問題視し、地方創生を訴えているにもかかわらず、実際に行おうとしている政策は地方の衰退を招くという矛盾状態だと感じます。
地銀再編が白紙に戻ることを祈ります。
いただいたサポートは就職活動の交通費などに充てようと思っています。