訳の分からない記事
本日はこちらの記事。
はっきり言って訳の分からない記事なんですが、訳の分からなさを解説していこうと思います。
日銀総裁の強いメッセージ
最初の方はまだまともです。
事実上の財政ファイナンス(中央銀行による国債の直接買い入れ)とも言える中銀と政府の政策連携は、欧米など主要国も実施している。新型コロナによる経済危機は戦後最悪になる見込みだ。失業者が町にあふれる最悪の事態を防ぐには思い切った財政出動が必要で、日銀の判断は危機対応策として妥当だと思う。
財政破綻を叫ぶ人たちは
「国債を発行し続けると買い手がいなくなってハイパーインフレが起きる」
と嬉しそうに言いますが、日本銀行が国債を買えばインフレにはなりません。
こちらの図を見てもらえるとよくわかると思います。
(http://mtdata.jp/contents_top.html#Dataより)
増え続ける国債、下がり続ける金利と物価。
強まる歳出圧力
この辺から雲行きが怪しくなってきます。
問題は背に腹を代えられない危機対応に乗じて、政治の世界で野放図な歳出拡大圧力が強まることだ。自民党の若手議員からは、早速、補正予算で政府が自由に使える予備費を50兆円積むよう求める声があがった。
何をもって「野放図」と表現しているかですよね。
国民を守るために歳出拡大してはいけないんでしょうか。
GDPが20%くらい減るかもって言われたらじゃあ100兆くらいは最低でも必要か、となるのが普通の感覚だと思うんですけどね。
次の文章で ヤバさが露呈され出します。
日本国債は約9割を日本の投資家が保有する。家計の金融資産も約1900兆円と潤沢で、「主要国最悪の国債依存度でも日本国債は暴落しない」との楽観論の根拠となっている。ただ、高齢化と低成長で家計の金融資産が減り、今後は国債の引き受けを海外投資家に頼らざるを得なくなる可能性もあり、油断は禁物だ。
先ほど日本銀行が国債の買い取りをしているから大丈夫という話をしていたのにもかかわらず、家計の金融資産やら海外投資家やらが出現…。
まさか日本銀行がコロナ以前から国債の買い取りを行っていたことを知らなかったんでしょうか。それなら分かります。別に非常時じゃなくても日本銀行は国債の買い取りができるんです。
「安倍一強」でモノ言えない?
最後には一段とヤバさが現れてきます。
「安倍1強体制の弊害で財務省も自民党もモノを言えず、今の政府は財政に対し無責任体制になっている」(自民党幹部)のが現実で、政権の財政運営には危うさがつきまとう。
財務省がモノ言えなかったらどれほど良かったか。
消費税減税に頑なに反対する人は減っていたでしょうね…。
日銀幹部は「市場で信頼を失うのは一瞬。無駄な支出を膨らませ、『財政を健全化するつもりがない』と判断されれば、外国人投資家は国債を売り、日本人も預金をドル建てに変える恐れがある」と話す。
外国人投資家が国債を売って、日本人が預金をドル建てに変えたしても(ほぼありえないと思いますが)市場に余った国債は日本銀行が買い取ればいいのでは…?
布マスクを全世帯に配る「アベノマスク」など効果不明の事業はやめて、苦しんでいる人々に必要な予算を思い切って投じる誠実な政治が、今こそ求められている。
なぜか結論がまともなのがこの記事の面白い点ですよね(笑)
「アベノマスク」は多くの国民が呆れたと思いますし、「苦しんでいる人々に必要な予算を思い切って投じる誠実な政治」も求められています。というか求めないと私たちの生活が立ち行かなくなる。それならば歳出拡大圧力が強まることの何が問題なのかという話になります。
いったいこの人は何が主張したかったのでしょうか…?(笑)
まとめ
読者の方もこういう間違った前提に基づいていたり、矛盾している記事がありましたら教えてください。
間違い探しをするみたいで楽しいですので(笑)
間違った前提に基づく訳の分からない記事が減ることを祈ります。
いただいたサポートは就職活動の交通費などに充てようと思っています。