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学び直しは生き直し〜十代の友へ〜

Aちゃん、あなたが十代の今、自分が発達障害だとわかったことは、本当に良かったと思います。そしてお母さんと、今までより話しやすくなり、お母さんもまた自分のしつけが悪かったのではという悩みが解消され、あなたのいうことを受け入れたり、肯定してくれたりするようになったと聞いて、さらに嬉しかったです。

小さい頃からお母さんがなぜ怒るのか、何を言ってるのかわからなかったと、あなたは教えてくれましたね。そして『いいこと思いついた』という口癖が私と同じだったのには驚きました。私も50代まで自分が間違っているとは思っていませんでした。相手の気持ちがわかっていないのに、どうして私のことをみんな理解してくれないのかそればかり嘆いていました。

『私たち』とひとくくりにできないのが自閉症スペクトラムです。だからそれぞれにわからないからできないこと、わかっていてもできないこと、色々あります。でも、半世紀も経って自分のことに気がついた私とは比べものにならないほど、優秀で聡明なあなたにはこれから生きづらさの原因を抱えながらも、日常のスキルを磨く無限のチャンスがあることを忘れないでほしいのです。

習うは一生! 「学び直し」当たり前の社会に

この春、私は偶然にもこんなニュースレターをみつけました。それで5月の連休あけから家庭生活カウンセラーの講座を受講し始めました。もちろん家族の理解と周りの勧めもあったのは確かです。

年金をもらう前に一級の認定を受けて、もう一度誰かのために役立ちたい、なんて今さら崇高な理由を後付けするのは恥ずかしいけど、自分のことを知るために勉強しています。

先日、今通っているカウンセラー養成講座の授業で「発達障害は遺伝との関係はまだ何もわかってない、たまたまそうだったのだと悩んでる親御さんには言ってあげてください」と先生が言われました。障がい者の就職支援をしている方だったので、親であり当事者である私の胸にその言葉は深く刺さりました。

幸いあなたも知ってる私の子供達は、こんな私とは無関係のように、それぞれ伴侶を得て幸せな家庭を築いています。無闇に怒り(叱るではなく)他人の気持ちがわからず、勝手に突っ走って周りを巻き込むひどい母親でしたけど、家族や友人に支えられ、許されてここまで生きてくることができたんですよね。

相手の気持ちが分からない私が、還暦を過ぎてから、一番遠くて難しい職種のカウンセラーになろうと学んでいることを思うと、若いあなたの持つ可能性は、大きな希望と夢にあふれていますよね。どうか、悩みながらも好きなこと、できることを見つけてください。焦らず、頑張り過ぎずに。学び直しは死ぬまでできるのですから。

ではではまたね。あなたがこの手紙を見つけてくれる日を待ちながら、愛を込めて贈ります。

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