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見聞色の覇気

はい、前回に引き続きサービスについてのお話をします。

タイトルは皆さんお馴染みの「ONE PIECE」からの引用ですね。

この記事の結論からお話ししてしまうと

サービス中は見聞色の覇気で気配を感じよう

です。

現実に漫画の世界を押し付けるなと思いますか?自分なら思います(笑)

なんですが...

背後に意識があるのとないのではサービスの質に大きな違いがあります。

少なくとも私はサービスを経験してそう感じました。

では、現実のダイニングに戻ってお話をして参りましょう。

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〜気配を感じるということ〜

サービスマンは広い視野をもって、サービスマン一人に対し複数のテーブルの

ケアをこなしています。

当然ながらサービスマンにとって目の動かし方は重要なのですが

その話は別の記事にするとして

今回のお話では、主に目で捉えられない部分を感知する方法をお伝えします。

見えない部分の気配を感じるというと、冒頭で出した見聞色の覇気のように

なんだか第六感的な印象を受けます。

ですが、私の経験と感覚を元にお話しするなら

見えない部分に意識を向けるだけで、気配は感じられます。

相手も気配を消そうとしてるわけじゃないですしね(笑)

特別な能力は必要ありません。そんなもの私は持っていない。

すべては五感で事足りるでしょう。

そう、視覚以外の五感を使うんです。

使うべきは触覚、そして何より聴覚。

触覚は風を感じるということ。

人が動けば周りの空気も動きます。それを感じる。

といってもそれだけで動きを察知のは難しいでしょう。

なので聴覚と合わさることにより、より動きを察知できる。

というわけで一番大事なのは聴覚ですね。

人が動けば音は鳴ります。

足音、衣類が擦れる音

音にならないような音であっても、それは目では見えない範囲の、確かな違和感として感じることができると思います。

気配を察知する必要がある人物は2種類です。

まず第一がお客様

そしてもうひとつは一緒に働く他のサービスマン。

お客様に対して、自分の不注意でぶつかってしまったり、突然目の前に飛び出してくるというのは当然避けなければならないのですが

一緒に働くサービスマン

これはパーソナルスペースを共有してることや

下げたお皿を置く場所がお客様に見えないように、死角になる設計をしていることが多いので注意が必要です。

また、サービスマンは何かを持っている場合も往々にしてあるので

場合によっては大惨事...なんてことも。

まぁ、単純にダイニングでサービスマン同士がゴッツンしてるだけでも、みっともないので気をつけたいところです。

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〜接触しやすい場面〜

サービス中に接触事故が起きやすい場面が2つあります。

自分の視界外に人がいる時と

物陰などの死角から,自分か相手どちらかが飛び出してきた時です。

視界外は主に背後ですね。

料理をサーブして、何もないように思って振り返り戻ろうとすると

いつの間にか他の席のお客様が席を立って歩いていた。

また、無言で他のサービスマンが後ろを通ろうとしてたなどがあります。

飛び出しは

お客様なら席を立ってお手洗いに向かう瞬間

サービスマンなら上記以外に、下げた皿の逃し場所であるバックヤードへの入り口などでしょう。


〜もうちょっと具体的な心がけ〜

気配を感じろって言ったって、ずいぶん抽象的ですよね。

最後に具体的にどうすればいいかをお話ししましょう。


まずは何より背後に気を付ける、意識を向けておくということ

とにかく自分の背後には何かがある、何かがいるかもしれないと心得てください。


テーブルにつくとき、少しだけ角度をつけてみる

例えば対面の四角テーブルが横並びで続いていたとしましょう。

そこに私たちがサービスをするには席と席の間に割って入る必要があります。

ここで注意したいのは真横を向いて深く入らないということ。

そうすると、サービスしてない側に思いっきりお尻を向けることになりますし

お客様が席を立った時に、こちらが認識できず、お客様の通路を塞いでしまうかもしれません。

そこで、深く間にハマるのではなく、少し角度をつけて入りかけぐらいで止まるのをお勧めします。

駐車場に、一回で入れなかった車みたいな感じです。

わかりづらいですかね(笑)


振り返るときはいきなり全身を反転させず、まずは頭から

目まぐるしい営業の中で、早く次の仕事に移りたい気持ちは痛いほどわかります。

ですが、すぐ振り返って勢いそのままに戻ろうとするのはやめましょう。

ミスを犯すことが最大のタイムロスです。

体を反転させる場合は、まず頭だけを後ろに向けて、後方の安全を目視してからにしましょう。

野球のピッチャーがランナーを目で牽制する感じです。

わかりづらいですね(笑)


声を掛ける

これは主にスタッフ同士による死角での接触防止です。

バックヤードは、お客様に見えないようにわざと死角になるよう作られています。

ですので入るとき、出るときは必ず声を出して自分の存在を知らせましょう。

バックヤードに入る場面は皿など、割れ物を持っているが多いので

時間と備品のロスを起こさないためにも注意したいところです。


曲がり角では一度スピードを落とす

自分が気をつけていても、相手が気をつけていてくれるとは限りません。

サービスマンや、席を立ったお客様が、曲がり角で飛び出してくるかもしれない。

また、バックヤードなら声を出すべきなのですが

お客様も通る曲がり角において、その都度声を出すというのはいささかスマートさに欠けます。

ですので一度こちらの動きを止めてみましょう。

交通安全と一緒です。確認してから曲がりましょう。


耳を澄ませる、音を感じる

最後に繰り返しになりますが、今回の大事なところです。

前述のことを気をつけていても、当然自分の背後や、死角が無くなるわけではありません。

そこで頼りになるのが音です。

後ろで布が擦れる音がしたら人が通っているのかもしれない。

曲がり角で足音が聞こえたらお客様が飛び出してくるかも。

注意深さに音が加われば、より強い確信として、事故を避けることができるでしょう。


さぁ、いかがでしょうか?

どんなに気をつけていても事故は起こるもの。

ですがこの記事を参考にして、最小限に抑えていただければ幸いです。

ちなみに私は

「自分以外、このダイニングにいる人は暗殺者だ。背中を見せたら殺される。」

そんなイメージをして背後に神経を張ってました。

かなり失礼な考えです...(笑)

ではまた。


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