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短編小説

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2020年5月の記事一覧

P-N-

P-N-

 気がつくとそこは銀世界だった。一寸先も見えないほど強く吹き荒れる雪は視界とともに体温を奪っていった。冷気が身をさし、不安と恐怖が私を襲った。

私はいつからここにいたのだろう。自分は一体何者なのだろう。駄目だ。思い出せない。
途方に暮れて下を向く。そこで初めて私は自分がベルトコンベアに乗せられて運ばれていたのだと知った。

しとしと。私の体は雪が積もり始め真っ白になっていた。いますぐこのベルトコ

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