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小樽あまとうの甘党のためのソフトクリーム

洋菓子店「小樽 あまとう」。

小樽に住んでいて知らない人間はいないのではないだろうかというほどのお馴染みだ。
創業昭和4年の歴史。小樽が観光の街として栄える前からずっと地元に根差して愛されてきた。

そして私が生まれた平成初期。ルタオはまだ世界に存在していない。
その頃は小樽でケーキを食すというと「あまとう」がメジャーだった。やれ誕生日だ、やれクリスマスだ、ひなまつり、こどもの日……

小樽のケーキは他にも「館」「パールマリーブ」などあるが、何かと「あまとう」なのは、街中にあり買い物ついでにフラーッと寄って行きがちな立地の良さも少なからず影響しているだろうか。

さてこの洋菓子店、1階がテイクアウト専門、2階は喫茶になっている。

喫茶はあのなんともいえない、昭和の風情の、赤いベルベッド張りのソファとシャンデリアみたいなレトロ風味で、そんでもって観光客メインよりかは地元の小中学生やおばあちゃんたちの憩いの場となっていて非常に居心地が良かったのだが、コロナ禍を理由にずっと休業していた。
コロナの規制も解け始めてしばらくしても再開の知らせが無く、
「小樽も過疎化激しいしこのままテイクアウトだけでやっていくことにしたのかな……」と、世知辛い理由もあるだろう中で、今後喫茶の光景を拝めることは無いかもしれない……と思っていたのだが、
2023年7月に待望の再開。


喫茶へ続く階段を上がり、

レ、レトロ〜!

この懐かしいソファが並ぶ光景を目にした時の懐かしさ。

ちょっとませた小学生時代
友達と2人で出掛けてちょっぴり大人になった気がした日。
習い事の帰り。
仕事中の母を店内で待って一緒に帰った時。

そんな思い出補正も相まってなんだかじんと来たのだ。あの時10歳を少し超えた少女だった私は、30代に突入した独身女として再びこのソファに座っている。

このレトロなレシピ本的な画質のメニュー表がまた良い。
クリームしるこSサイズ(560円)とホットコーヒー(500円)

1番人気のメニューはクリームぜんざいなのだが、私はつぶあんよりこしあん派、したがって頼むのはいつもクリームしるこだった。

とにかくあんこが甘くてなめらか。粒っぽさを微塵も感じさせず、口の中でとろっと溶けてすぐ消えてしまう。
ソフトクリームはしっかり風味を感じるのに全くくどくなく、口の中にもったりとした甘さが残るような濃厚な括りではないのに、かといってさっぱり系かというとそうでもなく……
ここでしか味わえない、唯一無二のあまとうソフトの風味。よく探ると分かる企業秘密だ。
求肥の食感が良いアクセントになっていて、あっという間に食べ切ってしまう。
日和ってSサイズにするんじゃなかった。

ちなみにケーキセットとして、1階でテイクアウト販売されているケーキを喫茶でも楽しめるのだが、
昨今のケーキと比べてここのケーキはひたすらデカくて濃い。
今流行りの、こじんまりして装飾がおしゃれで細い形のチョコとか乗って中にナントカソースとか入っている類のケーキじゃないのだ。

スポンジドーン!
フルーツドーン!
生クリームドバァー!
以上!

スイーツのレポとして使われがちな「甘すぎなくておいし〜」「さっぱりしていて食べやすい〜」みたいな文句を一掃するかのような、もったりした超濃厚な脂肪分たっぷりの生クリーム。
ケーキは甘くてなんぼ。くどけりゃくどいほど美味い。
さすがに以前と比べると値上がりはしたようだけど、デカさ据え置き、もったり感もそのままであればむしろ素晴らしい企業努力である。

今どき珍しいバタークリームのケーキも売店では扱っているため、喫茶を楽しんだ後はぜひテイクアウトもしよう。
私のおすすめはチョコモンブランとヴィクトリアだ。

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🚩 小樽市稲穂2丁目16-18
JR小樽駅より徒歩7分

🕐営業時間
1階売店 10:00~19:00
2階喫茶 12:00~17:00
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ソフトクリームでしこたま身体を冷やした後の海風は最高に負担でした。寒かったあ。故郷の海が1番馴染んでエモい。

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