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私がお弁当の活動を始めた理由は‥?

採用支援やM&A支援に携わっていた私が、現在、自分のライフワークの1つとしてお弁当の活動をしている理由。

改めてきちんと発信したことがなかったので、今日はこの話題について綴っていきます。

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何か1つの出来ごとが決定打になったわけではなく、この数年で少しずついろいろな気付きがあり、想いが確かなものに変わってきました。

・『父の死』から、よりよく死ぬために今を後悔なく生きることが大切という気付き

・『仕事インタビュー』『父の人生記をつくる経験』を通じて知った、人生のストーリーを文章や形に残すことの価値

・よりよく生きることと、「食」は強く結びついていること

それぞれの気付きを記憶を辿りながら書いていきます。

『父の死』を通じ、よりよく死ぬために、今日を後悔なく生きることが大切と気付く。

5年前、突然実父が悪性リンパ腫の診断を受け、ホスピス緩和ケア病棟に入院しました。宣告から最期の日を迎えるまでの期間はおよそ1ヶ月半。

1日でも長く生きてくれるならどんなことでもしたい、という家族の想いに反して、父は抗がん剤の治療法を選ばず「俺の人生、何の後悔もないんや」と言って幸せそうに命を終えていきました。

最初は受け入れられなかった父の死ですが、最期の日まで父との対話を通じ、父の人生に後悔がないこと。悔いなく死ねることを(怖くもあるけど)幸せに捉えていることがわかり、自身も『長く生きること』より『今日を後悔なく生きること』が、よりよい死につながると考えるようになりました。

また父がホスピスに入ってから体の調子がよい日は、くる日もくる日も、父が生まれてから現在に至るまでの人生のライフストーリーを細かにインタビューし、ノートに書き綴っていました。

その中には、これまで娘の私や母も知らなかったような話や、知っていたけど父の視点で聞いたことがなかった話がとめどなく語られ、私たち家族は、改めて当事者に人生について話してもらうことの大切さを実感しました。

人生のストーリーを言葉や形に残すことの価値。

当時のわたしは、企業と価値観のあう人の求人応募を募るために、経営者や社員の方にインタビューし、その内容を記事にする仕事に就いてました。おそらく累計1,000名以上の方にお話を聴かせていただいたと思います。

求人のためのインタビューではありましたが、その方の価値観・会社の持つ価値観・風土に触れるため、対象者の方の生い立ち・家庭環境・成長過程で何を、どう捉え、どのように人生の選択をしてきたのかなど、人生観を丸ごと聞かせていただく機会が多くありました。

男女・年齢・年収・社会的地位もさまざまな方たちに、仕事・家族・目標・幸福感などの価値観について話を伺う機会に恵まれました。

ある日、お話を聞かせていただいた方からこんな言葉をかけていただきました。「本多さんに問いかけられて答える中で、自分がこんな価値観や考えをもっていたのかと、はじめて気づかされたことが多かった。すごく有意義な時間でした。」と。(本多は旧姓)

このようにおっしゃっていただけたのは1度や2度ではありませんでした。人生のストーリーを聞かせていただく場面で、その方の声や表情がキラキラと変わっていく場面を何度も目にしてきました。

このときの経験が、人生のストーリーを引き出す場にインタビューアーとして立ち会わせていただき、文章など目に見える形で残していくことの本質的な価値の確信につながり、この能力を活かして大切なひとの役に立っていきたいという想いにつながっていきます。

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よりよく生きることと、食 は強く結びついている

話は2013年まで遡ります。入社3年目。会社ではじめて自分のチームを持って仕事をしていた頃でした。

チームをもつことは「組織で仕事を成せる喜び」や「仲間が成長する喜び」をもたらしてくれ、この頃私はますます仕事にのめり込んでいました。

仕事が面白くなると自ずと働く時間は長くなり、帰宅すると深夜0時を回ることもしばしば。お昼はパソコンの画面を見ながら、パンを片手に済ますことも多く、食の時間を大切にすることが疎かになる生活でした。

一人暮らしをしてから続けていた、3品プレートのおかずを自炊して作る習慣もままならなくなった頃、どこか心と身体に余裕がなくなっていることを感じるようになっていました。

ある日の深夜、疲れた体で地下鉄を降り、マンションまでの夜道で出来合いの夕食を買い、お腹に入れたあと。空になったプラスチックの容器を見てハットしました。「これは、何か生活に歪みが起きている。」

その日以降、私は食の時間を、大切な商談と同じ優先順位に引き上げる生活に変えました。13時のアポイントはできる限り13時半以降で設定し、どれだけ忙しくてもお昼はできる限りリラックスした状態で、ゆっくり手作りのお弁当を味わう時間を持つようにしました。

また自炊する気力・体力を、仕事のタスク管理と並行して重要視し、自身で選んだ食材を使った安心できる食事を、有り難さを感じながらいただける時間をもてるよう、食のあり方や位置づけを大改革したのです。

すると、驚くことに身体の調子や心の状態が急改善し、自分の心にゆとりが生まれました。毎日の幸福度、自身への信頼、周りと接するときの心に大きな変化が生まれたのです。

そして、それは仕事のパフォーマンスやメンバーとの良好なコミュニケーション・関係性・つながりにも繋がり、その年のMVP受賞などの形で成果にも顕著に現れていました。

この経験から、お弁当に込めた想い、エール、安心や信頼は、食べる人(自分自身でさえも!)を、元気にパワーチャージできるアイテムであることを確信しました。

思い返すと、母から作ってもらったお弁当もそうでした。母の想いや愛情が込められたほの温かいお弁当は、どれだけ簡素なものであっても、食べたあと、私に幸せと安心を与えてくれていました。

このように『お弁当』というアイテムに注目するようになり、いろいろな人から食にまつわるお話を聞いていくうちに、食とストーリーはとても密接な関係があること。

また「食に思い出なんてないよ」とおっしゃる方でも、その方に丁寧にお話をお聴かせいただき、それをもとにその方に沿ったお品書きを設計し召し上がっていただくことで、癒やしや喜び、安らぎをお届けできるという確信を深めていきました。

『あなただけのお弁当体験』のユニット誕生。

お弁当体験の活動が、途絶えることなく今に至る背景には、たくさんの方のあたたかな応援・関わりがありました。

土日に通った、株式会社タウンキッチンさんの運営するコウカシタスクール(起業塾)。 渋谷の自由大学で出会い、東京と新潟でダブルローカルのスタイルを実践されている「gift_」池田さん・後藤さん。講座のフィールドワーク先で会ったユニークな活動をされている人たち。

またハタチノトビラという大学生向けの登壇の場では、なぜ『あなただけのお弁当体験』の活動をしているのか、整理・言語化するきっかけをいただきました。

■ハタチノトビラより(複業で理想の社会を目指す私が気づいたこと/本多美幸(2017年)。https://www.youtube.com/watch?v=Mjj19b_Xr0E

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の自主ゼミでも、おぼろげな私の構想・企画に発表の機会をいただきました。中村先生や受講生のみなさんのおかげで企画を途絶えさせることなく、ここまでこれたと感じています。

本当にたくさんの方がこの活動を見守り、これまで手を差し伸べてくださいました。この場をお借りして改めて感謝いたします。

そして活動を開始して依頼、パートナーとしてこの活動を一緒に推進してくれた梢さん。雇用関係も契約関係もないフラットな関係で、一緒に悩み、一緒に考え、一緒に笑い、想いと時間を共有できる彼女の存在がなければ、この活動の存続はありませんでした。

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最後に、私たちがユニットを組んでから、一番最初に『あなただけのお弁当体験』を体験してくださった方のお話をさせてください。

その方のストーリーを込めたお弁当を作るために、私たちは遠方に住むその方のお父さまに「あなただけのお弁当体験」の趣旨を説明し、お父さまからのメッセージ・レシピを添えたお弁当をお届けするという企画を行ないました。

当日、お弁当を召し上がっていただき、メッセージや内容に大変感動していただきました。そして帰り際。さっと渡された封筒には1万円札が入っていました。すでにお弁当のお代は受け取ったあとでした。

お返ししようとする私たちに、その方は今回の体験には大きな価値があったということを言い残して去っていかれました。私たち2人は、はじめてのストーリーのあるお弁当が無事に満足いただけたことへの安堵と共に、その1万円札をありがたく受け取り、2人で分けました。

その半分の5,000円札。実は今でも使わずに、振り返りをしたときのノートに挟んだままにして大切に置いてあります。(笑)

その5000円札は、おかねという使うためのものではなく、あのときの想いをいつまでも思い起こさせてくれるものになりました。私たちにとってお弁当体験の活動はライフワークであり、お金を稼ぐためだけの手段ではありません。

だからこそいくつかの仕事のフィールドを持ち、その中の1つとして『あなただけのお弁当体験』を置き、細く、長く、目指す形に近づけるよう、活動していきたいと考えています。

2020年、千葉県いすみに移住してはじめての『あなただけのお弁当体験』を2日限定でオープンします。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

ここ1ヶ月ほど、かなえるナースの活動をされている株式会社ハレの前田さん、地層食堂のめぐみさん。ピア宮敷の内野さんや、おにぎり工房かっつぁんのかっつぁんさんとお話する中で、自分がなぜこの活動をしたいと考えているのかや、今後、目指したいことが、少しずつ見えてきはじめた感覚があります。

そして、その一歩として、今月末 2020年8月30日(日)・31日(月)。千葉県いすみ市のおにぎり工房かっつぁんにて『あなただけのお弁当体験』のストーリー付きのお弁当を、2日間限定で出させていただきます。

おだに みゆきが、これまでお弁当の活動の中でインタビューしてきた実話に基づくお品書きストーリーのレターを読みながら、味わうことができるお弁当体験コンテンツです。

下記LINEのお友達登録より、お弁当体験アンケート・ヒアリングにお力添えいただければ、今回のお弁当体験のなかにあなたの思い出の一品が加わるかも・・?!しれません。

▽イベントページ・お申し込みはこちら

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今回これない方も、LINEお友達登録をいただければ、不定期イベントのお知らせなど、お送りさせていただきます。下記のボタンをクリックまたは、その下のQRコードから登録してつながっていただけると嬉しいです。

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また、オリジナルのストーリー付き・お弁当体験イベントのご相談も、LINEもしくは、メール(obentotaiken@gmail.com)より随時承っています(内容は予算やエリアに合わせて応相談)。

大切な人へ食を通じたギフトとして『あなただけのお弁当体験』のフルオリジナルプランや、心身の状態上、外出が難しいご家族へのプレゼントとしての利用など。

またWeb面談を用いたご相談やお打ち合わせも無料で対応していますので、「こういった場面に使えないか?」などご相談も気兼ねなくいただければと思います。

※ 下記QRコードの読み込みでもお友達追加可能です^^

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いつか人生の大切な日、記憶に残る日に、大切な人と体験するコンテンツに選んでいただけるサービスにしたいと思っています。このお話はまた今度!


(2020/09/10追記)

8月30日(日)・31日(月)の『あなただけのお弁当体験』の日、たくさんの方にお越しいただき、9月も開催させていただけることになりました!!m(__)m

9月は、新企画『あなただけのお弁当体験~思い出のたまご焼き比べ弁当~』。

あなたの記憶に残るたまご焼きの味が、今回のお弁当で再現されるかもしれません。よろしければ参加される方も、今回は参加が難しい方も、たまご焼きについてのエピソードを下記に投稿いただけると嬉しいです!

エピソードを投稿いただいた方の中で、お弁当のお品書きに選ばれた方には、お弁当の手書きイラスト付きポストカードをプレゼント予定!!(10月末のお届け予定)

ぜひご投稿&ご参加をお待ちしています!!

参加ご希望の方は、下記リンクより、9月24日(木)17時まで受付しています。^^


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