読書日記42「ユア・プルースト」-ことわ荒太

Kindle Unlimitedで重くなく評価が高めの小説を探していたところ、この本の表紙が目に止まった。舞う花びらとそれを掬おうとしている女性の横顔何印象的だった。

最初は表示のイメージ通り、個性ある仲間たちの心地よい会話と美しい京都の景色を想像させる描写にリラックスした気持ちで読み進めていた。しかし、突然相続と窃盗被害という現実的な課題を突きつけられ、登場人物達がこの課題に立ち向かっていく。

この本の好きなところは登場人物全員が自分に正直であるところだ。ブレない自分を持ちつつも自分の持っているものを人のために使っていく。メインの登場人物だけでなく、相続問題で対立した叔父も、そのために助けを求めた弁護士もそうだった。
自分は最近自分に正直であることと周囲の人と良い関係性を築くことのバランスが取れていないのではないかと思っていたところがあった。この本の登場人物達は自分に正直でありつつ周りの人達に優しくすることも出来ると教えてくれた気がした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?