読書日記86「下町ロケット ヤタガラス」ー池井戸潤
天才技術者、島津を佃製作所に迎え入れるところから物語の続きが始まる。
この巻では、日本の農業が抱える問題を学ぶことができた。就農人口が少ないことなどニュースで聞くような内容については知っていたが、作者の丁寧な取材に基づくストーリーを通して理解を深めることができた。
また、印象に残った言葉は、
「世の中の流れ、競合の存在、市場のニーズ。そういったものを無視して、簡単に出来ることしかやらない。自分たちが世の中の中心だと思っている連中に、新規事業ができるはずがない。」
というものだ。
当たり前と言われればその通りなのだが、実際の現場ではそういった基本を忘れてしまうことが多いのだと思う。実際自分は、この本の中で競合であるダーウィンプロジェクトが本質を見誤っていることに指摘されるまで気づけなかった。自分はいつか新規事業に関わってみたいという思いがあるので、この言葉を心に留めておこうと思った。