読書日記128「オランダ商館長が見た江戸の災害」-フレデリック・クレインス

磯田先生の本を探していたら解説を書いているこの本がおすすめに表示された。鎖国中の日本に滞在したオランダ商館長が日本をどのように見ていたかを知るのは面白そうだと思い、読むことにした。

全体を読んでみて考えさせられたのが、鎖国によって失われたものだ。今まで自分は鎖国によって日本が失ったものは海外製の物や情報など目に見えるものばかりだと思っていた。しかし、この本を読んで、日本は海外から評価を受ける機会を失っていたということに気付かされた。評価を受けなければ当然相対的な自分たちの位置を把握できなくなる。

また、災害を受けた後の日本人の行動が他国にはみられないものであるというのが興味深かった。家事で多くの家が消失しても、それを受け入れ、すぐに新しい家を建てることができる。他国の文化を受け入れるのが得意な国だという評価を聞いたことがあるが、昔から災害に遭ってきた経緯が影響しているのかもしれないと思った。

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