読書日記103「鉄の骨」ー池井戸潤

役所に行くと、「名刺はこちらにお入れください。」と書かれた箱が置かれている。特定の業者とを優遇することを防ぐためのものだと思っていた。これも間違いでないが、本来はその先にある談合を防ぐためのものであったというこの本で知った。

自由競争の環境おいて、価格には下落圧力がかかるが、ある程度のところでとまる。それは価格を強引に下げると質を犠牲にすることになるからた。でも、役所が入札をするような公共サービスは、サービスを享受する側が質の違いを知覚するのが難しい。この本で取り上げられていた地下鉄や橋について、質の違いを知覚できる者は極めて稀なはずだ。

談合は法律違反で、あってはならないことで本来は自由競争が行われるべきである。そういうのは簡単だが、この問題が根深いことを学んだ。

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