読書日記99「店長がバカすぎて」-早見和真

最近は堅めの本が続いていたので、そこまで堅くないお仕事小説が読みたくなり、この本を読むことにした。

書店が舞台の物語で、主人公はその書店の契約社員だ。読み始めてすぐに店長はバカを通り越して無理なタイプだと思った。アクティブで仕事ができない人ほど迷惑なものはない。だが、後にこのイメージが少しずつ変化していった。

主人公はそんな店長に振り回され、こんな会社辞めてやると思いながらも踏ん張り続けていた。主人公は周りの人に流されているようだが、自分の軸からぶれない印象を受けた。軸がありながら大きな決断に躊躇うところがリアルな描写だと感じた。

店長は読み進めるほどにバカなのか天才なのか分からなくなり、それ以外の面でもどんどん掴めな人物となっていく。読み終えた後も掴めなくて、個人的にはモヤモヤが残った。でも、実在する人間もそう簡単に掴めるようなものではなく、これはこれでリアルな描き方なのかもしれないと感じた。

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