映画とオペラの相性

最近渡欧を計画しているので、この機会を利用して英語を勉強している。スピーキングが弱い、というか相手との会話の中で適切な単語がパッと出ないことが多いので、映画を「熟読」ならぬ「熟見」してフレーズや単語、発音をガツっとインプットしている。これが楽しくて仕方ない。

さて、そんな話はどうでもいいのだが、その英語勉強のために先日マーティン・スコセッシ監督の「ディパーテッド」を観ていたら、オペラの魅力を再確認してしまった。

本作はスコセッシの他作品の例に漏れず、暴力、殺人の祭典であり、音楽の使い方も非常に巧妙。というのも、血生臭く、緊張感に満ちた雰囲気の中、安らぎの間奏曲のようにドニゼッティの「ルチア」の5重唱が流れる。この聖俗の対比が本当に素晴らしく、普段オペラを聴いていても、本作における絶唱を聴くときほど感動するは稀だ。

ちなみに、数年前「ディパーテッド」を観て「ルチア」を実演で聴きたいと思い立って演奏会に足を運んだのだが全く感動しなかった…。やはり映画の中の「ルチア」だからこそ素晴らしいのかもしれない。

(聖俗の対比という観点ではないが、別の例だと今年公開された「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のビゼー「カルメン」の音楽の扱い方も秀逸だった記憶)

というわけで、ストーリーも抜群に面白いのでぜひ「ディパーテッド」を観てみてください!

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