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人生に雷が落ちたお話(フランス・トゥールーズ)

トゥールーズ編

先に言っておくが、トゥールーズでとんでもなく美味い料理に出会い、感動し、今後広めるため何らかの活動をしていこうと考えている。

まず、トゥールーズへ訪れた訳だが非常に消極的な理由。「バルセロナまでの中継地で宿が安かったから」でしかない。世界史なテーマの旅とは言え、いくら調べてもトゥールーズには所縁の観光スポットがない。その中でも訪れた箇所をいくつか。

サンセルナン教会

ここはキリストの使徒の1人、ヤコブの遺骸が祀られているサンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路としての機能を持つ。色々なルートがあるが、スペインに近いトゥールーズもこの巡礼路になっている。この巡礼は体力が必要になるので、20代前半のうちには必ずやろうと思っている。

正直教会は各地で訪れ過ぎたせいか感動はなかったが、一つ勉強になったことがあった。
僕は帽子を被っていたことを忘れたまま教会内に入ってしまい、帽子を外すよう注意された。理由が気になって調べてみたので、気になる方はこちらから↓
男尊女卑が甚だしい気もするが…。

http://www.senzoku.org/col1_11.htm


ヴィクトール・ユゴー市場

ここでトゥールーズ名物のカスレを食べようとしたが、定休日とのことで市場自体が閉まっていた。ここで食を堪能しようとしていただけに残念。やることがなくなった…。

渋々散歩をして時間を潰すことに。するとジャンヌ・ダルク像。やはりフランス国民から愛され続けているんだなと改めて実感。

ここにジャンヌが関係しているかを調べてもその事実はどうやら無さそう。バス停の名前がJeanne D′arkとあったので、この小さなエリアがジャンヌの名前が使われていると推測。
確かにユゴーもトゥールーズとは関係がないか。

ランチ
食費を削る生活をしていたが、時間もあるしフランス料理を堪能しようとレストランに飛び込んだ。
ポーグソテーを注文。
前菜にはレーズンが乗っていてこれは初めて。そしてレーズンの甘さと若干の苦みがある野菜が案外合う。

メインディッシュ。母親の豚料理が体に染みついていたため、「こんなに豚肉は柔らかく調理できるのか」と感動。

量はそこまで多くはなかったので、ひたすら噛んで満腹中枢を刺激してお腹いっぱいに。美味かった、、

その後もぶらぶら散歩。
たまたま僕と同じSonyのカメラを使っていたフォトグラファーのおばさま方とお話したり

スーパーでカメラ好きの店員さんに話しかけられて盛り上がったり。(1日に2回カメラで出会いがあった)

カメラを持って歩いてるだけでこれだけ出会いも増えるし、一人旅故に会話相手がいる喜びも感じる。旅をしてからというもの、カメラの力をひしひしと感じる。スマホカメラの進化でその独自性は失いつつあるが、依然として奥が深いし、自分ならではの表現が可能だ。しかも観光している人のほとんどが一眼を持っていて、今も旅を豊かにしている重要なツールであることを再認識した。

なんだかんだ楽しく街を散歩していたら夜になり、そろそろディナーへ。トゥールーズ名物のカスレはどうしても食べたかった。

ここに決めて入店。17€で前菜とカスレ。

カスレ(フランス語: cassoulet、 オック語: caçolet)はフランス南西部の豆料理。豚肉ソーセージや羊肉、ガチョウ肉、アヒル肉等と白インゲンマメを、料理の名前の由来にもなったカソール(cassole)と呼ばれる深い土鍋に入れ、長時間煮込んで作る豆のシチューあるいはキャセロールである。

地方により様々なバリエーションがあるが、有名なのはカステルノーダリのものとカルカソンヌのもの、トゥールーズのものである。カルカソンヌではヨーロッパヤマウズラのブレゼが加わる場合があり、フォアグラの名産地トゥールーズではガチョウのコンフィが加わる。この3つの地方の住民の間では、どれが本来のカスレかという議論が絶えないと言われている。日本のフランス料理店で良く見られる、ソーセージに鴨(アヒル)のコンフィという組合せも多い。(wikipedia)

一口目から僕の中で革命が起こった。
鴨肉が口の中で溶けるほどに柔らかく、しつこくない脂肪と混ざり合ってジューシー。
さらに豆のシチューには肉の旨味が染み込んでいて非常に濃厚。人によってはしつこいほど。ただその濃さが病みつきにさせる。
追加でフランスパンが出されたが、パンとシチューの相性も抜群。無味のパンにこの濃厚さがマッチし、フランスパンのカリッカリな部分とシチューに浸したしっとりとした食感を同時に味わえる。

ランチでお腹が減ってない中、記念にどうしてもカスレが食べたくて無理して入店したことを忘れ、無我夢中で食べ続けた。その間もこの美味しさを何度も言語化しようと試みたが、なかなか言葉が見つからない。

見つからないなら食べてもらうしかない。もっと日本でメジャーな料理になってほしい。心の底からそう思った。食後に思いつく限りのアイデアをメモに殴り書きした。必ず実行しようという強い意志を込めて。

会計の時に熱をこめて「本当に美味しかった!ありがとう!」と伝えて名刺を頂いた。

雷に打たれた衝撃にボーッとしながら帰路に立っていた。トゥールーズにはこれと言った観光地はないが、また来る気がしてならない。

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