数を基準にしない

今年に入って本を11冊読みました。少ないと思われる方もいるかも知れないですが、僕にとっては昨年よりも早いペースで読んでいます。ちなみに昨年は約140冊読んだみたいです。

ただ買う冊数が読む冊数をはるかに超えてしまっているので、所謂積読本が数百冊あると思います。(苦笑)それに加えて物凄い数の本を読んでいる人を見ると、自分が全然読めていないことから自己嫌悪に陥ってしまいます。そのため、今読んでいる本を早く読み終えて次の本を読まないと!と自分を急き立てる傾向がずっとありました。

よくよく考えてみると、これは自分で自分を苦しめていることに他なりません。娯楽のために本を読んでいるのに、苦行になってしまっているのです。この原因は数を基準にしていることにあります。冒頭の11冊読んだという事実には本質的なことは何もありません。ただ数で取り繕っているだけです。

ところで、世間では年収1000万円が目標となっている傾向があるとよく感じます。つまりその年収を得ている自分になりたい(あるいはより良い生活がしたい)というだけで、世間が承認する基準である数に自分を合わせにいこうとする空虚な目標でしかないように思います。

精神分析学者であるE.フロムに"To Have or To Be"という本があります。簡単に言うと「Have(何かを持つこと)とBe(何かであること)のどちらの生き方がいいですか?」ということを考えさせられる本です。「持つこと」はカネ、名声、フォロワーなど、本来の自分でなくともそれを持っている自分を自分と捉えることです。他方、「あること」は何かに自分を仮託することなく、裸の自分がどうあるべきかを志向することです。

先に話した数を追い求めることは、明らかに前者(持つこと)の生き方です。だから敢えて「空虚な」と形容しました。

話を戻せば、「何冊読んだ」と数を追い求めることは空虚だということにやっと気がつきました。1冊から自分自身が変容するBeの体験が十分にできれば、何冊も読む必要はありません。1000冊読んでも自分自身が何も変容しなければ空虚な体験でしかありません。

まぁ分かってはいても「何冊読んだ」と思わないことは難しいんですが..。

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