見出し画像

カスレに抱かれて(フランス・トゥールーズ、カルカッソンヌ)

カルカッソンヌ・トゥールーズ編

ルーブル美術館の2回目の見学が終わり、その足で南仏のトゥールーズ・カルカッソンヌへ。
以前トゥールーズで食したカスレの味が忘れられず、カスレの3大都市「トゥールーズ・カルカッソンヌ・カステルノーダリ」で食べ比べする予定。それぞれ調理法が違うらしく、「自分たちのカスレこそが本物だ」と張り合っているらしい。(時間の都合でカステルノーダリは行けず…)

パリから列車で5時間、2度目のトゥールーズに到着!世界史旅してる身としてのために都市を訪れるのは初でワクワクドキドキ。

以前、トゥールーズのスーパーで出会って意気投合した男性と連絡を取って急遽共にディナーすることに。

いざ入店!
Restrant Au Gascon

そしてお待ちかね、カスレ🥺

相変わらず感動する程の美味しさ。鴨の臭みは全くなく、肉の旨味が汁に溶け込む。柔らかいお肉に、しつこくなく口の中でトロける脂。豆は一粒一粒が大きく食べ応えがあり、お腹にも溜まる。

こういう素朴な郷土料理や親の料理は何か有り難みを感じるなぁ。

お酒は相方君に地元の有名なものを頼んでもらった。

彼曰く、食後に高濃度のアルコールを飲んで食欲を復活させる文化があるらしい。(どの文化圏かは定かではないが)

ディナーは楽しく終了。しかし何かモヤモヤ感が残った。その正体は僕が日本文化に無知なことだ。
相方君は特にナルトと宮崎駿の作品が好きらしく、僕は全く話を膨らませてあげることが出来ない屈辱を味わった。長く日本を離れると日本文化の魅力が嫌でも見えてくるもの。

その魅力を再認識して、知り、外国人と議論し、発信していくことが大切なんじゃないかな。少なくとも、海外で自分は日本人だというアイデンティティしか持っていないのだから。

課題を与えられつつも、楽しく変顔で相方君とお別れした。こういう旅の出会いには不思議な力があり、一緒に過ごした人を鮮明に、時間を一刻一刻覚えるもんだ。

翌朝、トゥールーズから列車で20分のカルカッソンヌへ。

カルカッソンヌの繁華街は駅周辺と10分ほど歩いた所にある城跡内にある。僕は後者のカスレのお店へ。

Le Fragrant Des Lices


こちらがカルカッソンヌのカスレ!

ソーセージはトゥールーズソーセージと同じ。ガチョウ以外に豚肉を使っている分、味はトゥールーズのものほどは濃くないので食べやすい。
ただアクセントに欠けていると感じで、個人的にはトゥールーズの方が好きかなぁ。

ただトゥールーズ・カルカッソンヌのカスレをそれぞれ2店舗・1店舗しか試していないので、どちらの地域が好きかを判断するには尚早。
またフランスに来た時に狂い死ぬ程食べ比べしよう。
とにかく日本、いや世界にカスレがもっと広まってもいいんじゃないかという確信は持てた。今後生きていく中で頭の片隅に入れておこう。

食後に城内を散歩。ヨーロッパはどこも中世の面影を残しており、その雰囲気に慣れてしまった自分がいた。しかし、城は完全にそのままの姿で残され、数百年前にタイムスリップ錯覚を覚える。

また城跡をそのまま繁華街にするという発想も面白い。中世を「暗黒の時代」と呼ぶことがありつつも、未だに至る所で頑なにそれを残して活用するのは、ヨーロッパは長らく消え失せることのない中世への自負やノスタルジーを抱いているのかなと思ったり。

カスレを食べにいつかまた来るような気がする。

もしよろしければサポートお願いします〜 (書籍購入代に充当させていただきます。)