嫉妬について
昔はよく嫉妬していた。物知りで何でも疑問に答えてくれる人、お金持ちの人、留学する人、好きな女の子と付き合ってる人、挙げたらキリがないが、特に大学に入った頃はとにかく色んなことに嫉妬していたと思う。
それから3,4年が経ち、改めて周りを見渡してみると、たしかに社会的に羨望の的となるような人は数多いるけど、不思議と嫉妬どころか、羨むべきことも全くなくなっていた。
それは僕自身が僕という存在すべてを受け入れられているからだと思う。僕は欠点が多くて時に呆れ返るが、そんな自分をも愛おしいのだ。
トマス・アクィナスという中世ヨーロッパの哲学者・神学者がいるが、端的にまとめると彼は「嫌いが好きの原因になるのではなく、好きが嫌いの原因になるのだ」と言う。つまり、何かが嫌いであることは何かを好きだからであり、何かを嫌いだから何かを好きになるのではない。
そう考えると、上で言った僕の欠点だったり劣っている部分は、優れている点があるからこそ存在している。そう考えれば、狂った世の中にも多くの美を発見することができる。
話を戻すと、嫉妬という負の感情を見つめてみると、「その人が持つ美点を自分も持ちたい!」という正の感情だということに気づく。それによって自分を崇高な目標へと方向づけることができるし、嫉妬するまでもないのだ。
あぁ、過去の僕にこの文章を読ませてあげたい。当時の僕の世界を曇らせていたのは、明らかに狂おしいほどの嫉妬であったことは間違いないのだから。
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