「楽園のカンヴァス」を読んで

今、ミュージカル「ハル」に出演中の細川です。

ハルのカンパニーで一緒の照井裕隆さんはかなりの読書家で、本好きの僕としては聞き捨てならぬと、休憩中などにいろいろとオススメをしあうのですが、照井さんから強くオススメされたのは、これまで全くアンテナが反応していなかった原田マハさんでした。たくさん本出てるし、人気作家さんなんだろうな、ぐらいの気持ちでしたが、せっかくなのでアンリ・ルソーの絵を巡る人々の物語、「楽園のカンヴァス」を読んでみました。

絵画は門外漢ですが、ルソーの生い立ちやピカソに与えた影響や、その絵に魅せられた人々の心の機微にすっかりやられました。
ルソーのことをほとんど知らなかったのですが、彼についての記述が胸に迫って、途中からはポロポロと涙が溢れて止まりません。胸が痛くて痛くてしょうがないのです。

未来の事なんて誰もわかりません。誰がどうなるか、どこで何が起きるか。だけど、今、愛する物や好きな物に向き合えることのその強さといったら。何にも代えられないもの。

「楽園のカンヴァス」は小説ですし、ルソーが実際どんな人だったのか、今は調べてもいないので分かりませんが、とにかく作品の中にいたルソーは、僕の胸を強く打ちました。

この気持ちそういえば何かに似ているなと思い出してみると、映画「ブリグズビーベア」でした。

お芝居、演劇をすること。アニメ雑誌などの取材もそう。自分にとってそれは、ほかのものには代えられない存在なんでしょうね。と実感したのでした。

ミュージカル「ハル」は4月14日までTBS赤坂ACTシアターで公演中です。22日〜28日の期間、梅田芸術劇場・メインホールで公演を行います。
どうぞよろしくお願いします。

いただいたサポートは、活動のために反映させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ほそかわようへい/演劇カンパニー ほろびて 主宰/劇作、演出/俳優/アニメライター