2022年2月23日
こんばんは、あらたまです。
【御蕎麦屋さんのお話】の原稿を詰めに詰めて書いています。
夜明け前が一番暗い、夜明け前が一番暗い……とお題目を唱えて自分を鼓舞しつつ、うまいことガス抜きしながら。
たまにスマホのカメラロールを眺めて「楽しかった時」を反芻すると、意外と元気が出るもんですね。
というわけで。
今日はちょっとだけ、私の「元気を出すひととき」にお付き合いくださいませ。
版画ワンダーランド
先日、文房堂さんの極小版画コンテストへと足を運びました。
文房堂神田本店さんはカフェが併設されていたりスクールを開設されている他、ギャラリーでのイベントも頻繁に開催されていて、文房具を買い求める以外にも楽しみが多い文具店。神保町に行くと必ず立ち寄ってしまいます。
今回は各種SNSで大変お世話になっていて、元気も刺激もたくさんいただいているmikepunchさんも出展されているイベントとのことでしたので、めちゃくちゃ心躍らせて向かいました!
写真撮影OKだったので、スマホで撮った写真を交えつつ、レポートというか……感想文を書き残してみたいと思います。
圧巻の510点!
今回のコンテストは総数510点の応募があったそうです\(◎o◎)/!
その一つ一つを、間近で、つぶさに鑑賞できる。
しかも投票という形でコンテストに参加できる。
……物凄く贅沢で、濃度の高い催しでした。
作品テーマは蔵書票とのことでした。
蔵書票といえば、図書館の本の後ろに貼ってある分類データが書かれた紙、くらいの認識しかない私。
曰く、古本市に行くと蔵書票の特設コーナーがある。
曰く、蔵書票を専門にコレクションしているマニアな方々がいらっしゃる。
曰く、ビブリオマニアたるもの自分専用の蔵書票を作らないなんてどうかしている。
等々のお話を聞き齧ることはあっても、正直なところ都市伝説レベルにしか受け止めてこなかったのです。
……最初に謝ります、ホントにすいませんでした。
紙の質感、材質、色、それすらも自由な蔵書票。
それに先ず驚くとともに、その自由なテーマの中で更に自由な発想でもって『楽しく遊ぶ』作家の皆様のクリエイティブさに圧倒されました。
長方形の紙を、縦にも横にも使っていい。
なんなら斜めに傾げて刷ってもいい!
蔵書票=一色刷りだけじゃないのですね。
たしかに実用面やたくさんの枚数を一気に印刷することを考えると、一色刷りのメリットって捨てきれない魅力があります。
けれど、カラーで刷ったってイイ!
なんならカラーバリエーションを展開するのも良きナノデス!
版型別にバリエーションを変えて貼り付けるのも、蔵書管理が楽しくなりそうですよね。
そうかと思えば、一色刷りだからこそ味わえるインクが織りなす陰影の妙味にも、やっぱり深く心を奪われてしまうのです。
エッチング、美しいなあ。
mikepunchさんの作品、すぐに見つけることができました!
これまで画面を通してしか拝見できていなかったのですが、直に作品を目にすると、紙の質感や染料ののり方からよりmikepunchの作品に対する思いが伝わってくるようでした。蒼く静謐な場所から削り出されたような、優しくも荒々しい野性のような……。
三重県の中学生のみなさまの作品は、一つ一つを目で追っていくうちに私の中学時代を思い出しました。
仲が良かったお友達に作風が似ていたり、私自身が似ている構図で木版画の授業に取り組んでいたことだったり。みなさんがこの先もたくさんの作品を生み出していかれる道を選ばれるとしたら、とても楽しみだし、何年か先にまたこのお店で作品にお目にかかれたなら……と想像したらワクワクしました。
革装丁の、古い古い活版印刷で作られた本の挿絵なのでは?
蔵書票と呼ぶには美しすぎる、技巧も趣向も凝らされた作品の数々。
サイズ感として、私はより小さいサイズの作品に興味が湧きました。
……私の蔵書は文庫本が多くてですね(*´ω`*)
あと、私家版で拵えた豆本などには、その本専用のサイズが必要になりますでしょう?
この蔵書票はあの本に、あのシリーズに、ひたりと合いそうだなあ等々考えると、蔵書とのトータルコーディネートで自分用蔵書票を作るって楽しそうだなあと思えてきました。完全に「深淵を覗いて」ましたね、私💦
今回のコンテストを拝見する中で、驚いたことが一つあります。
それが消しゴムハンコ作品の奥深さと幅広さ!
私が想像している消しゴムハンコの遥か斜め上を高速で飛行していく、繊細な技巧を凝らした作品がたくさんありました。
……多色刷りに至っては、もう浮世絵の凝り様ですよね。スゴイよぅ。
インクの掠れ具合とか、どうやって計算されてるんですかね?
ほんとに素晴らしい……(←言葉がどんどん足りなくなってきます)
私のイメージよりもはるかにシンプルなデザインの作品もありました。
その潔さ、美しさ。
機能美を追求するという表現方法もありますね。
絵ハガキとして大切な誰かにお手紙にしたい……嗚呼、こちらは額装していつでも眺められるようにしたい……妄想も捗ります(*´ω`*)
蔵書票ってその成り立ちは事務的なところからスタートしていても、一枚一枚にまで倍率を上げるとその物語の豊かさに驚かされます。
そして、その物語を汲み取る版画作家の皆様の想像力、高く洗練された技巧……脳味噌、痺れました。
私自身、蔵書票を作りたくなる瞬間が、この場で作品を拝見している間に幾度も訪れました。
私の家にある本に、私の本だなという住所があるんだもの。住民票ならぬ蔵書票を発行するのは自然な流れなのではないかしら。
そして現在、或る紙物アイテムのデザインをするにあたり、蔵書票をコンセプトに据えるというアイデアも面白いなあと考え始めました。もっと自由に広く楽しくアイデアを膨らませても、きっと大丈夫!そんな風に考える勇気をこちらのイベントからいただいた気がします。
極めて個人的に、ですけど。
多くの刺激を受けたイベントでした。
また投票という形で微力ながらイベントを盛り上げるお手伝いをさせていただけたこと、感謝いたします。
オマケ
興奮冷めやらぬ中、お昼ごはんを食べていなかったことを思い出しました。
これから取り組む紙物アイテムの構想を練りつつ、冷静さを取り戻すためにも、ピルスナーウルケルで喉を潤しました。
二色に分けられたジョッキ。
これもまた一つのアートだと思うんですよ、私。
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