見出し画像

火曜日連載『あらたま流きもの雑記』 9月14日 普段着ということは、私の一部でありますからして。

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

『あらたま流きもの雑記』とは――
 火曜日連載で、きもの文化検定2級ホルダーのあらたまが普段着きもの生活についてアーデモナイコーデモナイと書き散らかします。
 主に普段きもの一式の紹介と解説、少々のお出かけレポートをお届けします。また、私がきものに思う事、きもの生活tipsやお寄せいただいた質問への回答が、それぞれ小話として付いています。
 ・いわゆる『映え』なきものの御提案は無いと思います。
 ・きものを着た可愛いポージングの女性は出てきません。
 ・きもので行くべき映えスポット!の御提案もありません。
 きものを普段着にしているといっても、洋服を着る日だってありますし、和の習い事経験は皆無です。
 大雑把な性格で、かなり雑な暮らしぶりのオバチャンのきもの生活の一端をお見せすることで、きもの生活のハードルが多少低くなり、きものを始めたい方の勇気に繋がることを願っております。

 ここ数日、ものすごーく眠くて眠くて。
 デスクワーク派の私が、材木担いでワックス塗ってなんて感じで、いっちょまえな肉体派な活動をしているせいもあるかもしれません。
 きものに袖を通す時間的余裕も、残念ながらありません。
 塗料を塗っていると、デニムが味のある汚れ方をしてくるものでして、これはこれでちょいと素敵だなと思っています。お洒落の種はどこに転がってるか?分かんないもんですね。

 さてさて。そろそろ本日の『あらたま流きもの雑記』始めましょう。
 その前に少しだけ……いつものごとく、宣伝です。

人間に飼われる猫も、公園や神社でたむろする猫も、実は猫じゃないかもしれない……
猫なのか?猫又なのか?
ちょっと不思議な猫のお話ばかりの、連作短編集

一冊目に比べると、気持ち悪い怖さよりも少し不思議(略してSF?)系。だって……猫だもの。猫又だもの。モフモフだもの。

本日ご紹介の一式

 諸事情により、きものに袖を通すことができない日というのも、現代社会に生きてるとまあまあな確率でございますね。
 さすがにペンキ塗りする日に、はんなり・しゃなりな恰好ってのはいたしません。山登りに肌見せばっちりのキャミソールワンピースに10cmヒールで挑まないのと同じですわね。

ポリ小紋、リアルなウサギの半幅帯(ゴフクヤサンドットコム)、唐草風葡萄柄手拭い、3coins樹脂イヤリング

 普段着のように、一年中生活の中に入り込み、私を楽しませてくれるもの――そう、それは、怖い話。いわゆる怪談、でございますな。
 ちょいとお洒落して黄昏時の街に飲みに行こうじゃないか……なんて時はですね、出掛ける先の『場所』に纏わる人・モノ・コトに寄せて一式組み立てるなんてことをします。
 特に土地に関連する文豪や怪談寄りの著作、七不思議的な話にヒントを貰って帯や小物を選ぶと、シンプルなきものもなんとなーく「それっぽい方向」に薄暗い雰囲気を醸してくれるのが面白いなあと思います。

 最近は「さあ週末だ!一週間おつかれさまです、一杯ひっかけに行こう」なんてことは気軽にできませんから、趣向を凝らした一式を組み立てる遊びの機会も減りました。
 緊急事態が明けたらね、なんて言ってたら、しれっと延長されちゃうしね!

 というわけで。
 この日はそういう遊びを妄想力をフル動員でやってみました。
 袖を通さずとも、遊ぶことはできます。写真で記録しておけば、いざという時に「あ、あの時の一式で行こう」とフットワークが軽くなるというものです。
 この日のテーマはズバリ『秋の怪談会』。
 ウサギと言えば泉鏡花(個人的見解)なので、積読ゾーンからピタッとくる一冊を選んで並べてみました。
 間接照明が効いた御部屋でスタウトを味わいながら「あれはね、冬の雨が冷たく降りしきる夜だったわ……」とか、ゾクゾクッとくるひとときを楽しむという設定です。

 準備だけはしっかりやってるので、一日も早く怖い話飲み会ができる日が再びやってきてくれたらなあ。そう願う今日この頃です。

鳩サブレーを買いに行こうかな〜帯留めの思い出〜

 確か材質は、鼈甲?
 今、鼈甲は海亀の保護により、鼈甲加工の工場や職人さんの手元に在庫としてある分だけが工芸品等として流通が許されている……みたいな話を伺った記憶があるのですが、どうにも定かでありません。すいません。

画像1

 この帯留めに出会ったのは、やはり秋のお出かけ用にどんな一式を組みましょうか?と妄想を爆発させている時でした。
 秋の鎌倉に、こっくりした色をポイントに効かせて、敢えてのお上りさん風を演出。観光気分を満喫してみよう!
 ――みたいなことを言ってたような。

 そこにハタっと現れたのが、この鳩サブレ―みたいな帯留めでした。

 ちなみに、鳩サブレ―についてはこちらのサイトをどうぞ

 一目見た時に、親戚の大叔母さんを思い出しましてね。
 東京に出る時はバッチリ決めていかなくちゃ!と張り切る、結城紬が良くお似合いの方でした。その方が鼈甲の渋い簪を愛用なさってたんですね。
 子供心に「もっとキラキラの、カッコイイかんざしにすればいいのに」と、彼女のバッチリ基準に納得いかなかったもんですが、まあまあの歳を重ねてみると、控えめ且つ渋い鼈甲の輝きは充分にカッコよく、トータルで彼女の雰囲気をバッチリ仕上げていたんですよね。
 そんな大叔母さんの美意識にあやかりたく「わあ、これは良いですね!」とお値段も手ごろだったので即決でお迎えしたのでした。

 この鳩にも似た小鳥ちゃんは、渋いというより愛嬌を前面に出したタイプです。
 ですが、実際に一式組んでみると、独特のこっくりした色合いが不思議と落ち着きを醸して、前述の大叔母さんの面影がちらつきます。
 勢いでお迎えしたものの、若い時分にはなんだかしっくりこないシーンが多くて活躍の場が少なかったけれど、最近はちょっとずつ歩み寄ってくれてるような……アンタにはまだ早いんじゃないのかい?と暗にアドバイスしてくれていた大叔母さんから、ようやく「これ付けて、女っぷり上げて、サァ行っといで!」とお許しが出たのかもしれません。


いかがでしたか

 私の、年配の親戚の女性たちをぐるっと見回すと、かなりの着道楽な方が多かったように思います。
 サザエさん一家のフネさんのように、きものが普段着で、お出かけする時には洋装のワンピースに真珠のネックレスしておしゃれするという感じ。
 結城紬や牛首紬でビシッと家の中を仕切っている方がいると思えば、体にぴたりと寄り添う久留米絣に前掛けを付けて、店先に立ったり交渉ごとに当たったりされる姿が思い出されます。
 おしゃれとして楽しむのは勿論なんですけども、シャキッと背筋を伸ばし、男性とも堂々と渡り合って働くための……ビジネススーツ、みたいな?

 記事のテーマとして取り上げて欲しいという質問・ふとした疑問がございましたらコメント欄や質問箱でお寄せ下さいませ。

 質問箱は匿名でのご質問を受け付けておりますので、恥ずかしがり屋さんでも大丈夫!Twitterに連動していますので、回答がそちらに流れることもございますが、きものに関する回答はnote内で出来る限り分かり易くお答えしていきます(公序良俗に反するもの・個人情報流出の可能性のあるものは、如何なることもお答えできません)。

記事を書いた人についてはコチラをどうぞ

 コメントでの気軽なお声掛けは随時、お待ちしております。
 スキマーク・フォロー・マガジンのフォローも、勿論ウェルカムです。遠慮なく、無言でどうぞヤッチャッテくださいませ。

 noteアカウントをお持ちで無い方も♡マーク(スキマーク。イイね!みたいな意味のマーク)を押すことができます。押していただけると大変励みになりますので、ポチッと一つ、よろしくお願いいたします。

 それでは。
 最後までお読みいただいて、感謝感激アメアラレ♪
 また明日ね、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ

よろしければサポートをお願いいたします!サポートして頂きましたらば、原稿制作の備品や資料、取材費、作品印刷代、販路拡大、広報活動……等々各種活動費に還元、更なるヘンテコリンで怖かったり楽しかったりする作品へと生まれ変わって、アナタの目の前にドドーンと循環しちゃいます♪