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火・水曜日連載『あらたま流きもの雑記』 4月7日 今の時代のリアルな普段着きものスターターキット?

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

『あらたま流きもの雑記』とは――
 火曜日と水曜日の連載で、きもの文化検定2級ホルダーのあらたまが普段着きもの生活についてアーデモナイコーデモナイと書き散らかします。
 水曜日は普段きもの一式の紹介と解説と、きもの生活tipsやお寄せいただいた質問への回答をお届け。
 ・いわゆる『映え』なきものの御提案は無いと思います。
 ・きものを着た可愛いポージングの女性は出てきません。
 ・きもので行くべき映えスポット!の御提案もありません。
 きものを普段着にしているといっても、洋服を着る日だってありますし、和の習い事経験は皆無です。
 大雑把な性格で、かなり雑な暮らしぶりのオバチャンのきもの生活の一端をお見せすることで、きもの生活のハードルが多少低くなり、きものを始めたい方の勇気に繋がることを願っております。

 体調がイマイチだった家族も今日はすっかり元気になりました。安心してにゃんこ先生の御世話をお願いいたしまして、定休日の私はカメラを担いでお散歩に行きました。
 私の水曜日の定休、体に馴染んだなあ。
 実験は終了。定休日を正式に「水・土・日」に書き換えなくちゃ。

本日ご紹介の一式

 今日は和洋折衷でガンガン!街を歩く一式。

 デニム長着、UNIQLOエアリズムパーカー、リアルウサギの半幅帯

 汗取り下着がぐっしょり重たくなるくらいの温かさで、エアリズムが大活躍でした。フードは首を、長め設計の袖は手の甲まですっぽりと、日焼けからも守ってくれるので、私の和洋折衷きものの強い味方です。

 イメージをかき立ててくれる街の風景を、何も考えずにパチパチ撮ってきました。
 月曜日連載の扉写真や木曜日チョイ怖の演出で少しずつお披露目しますね。

 リアルウサギちゃんの帯は本日、初お目見え。
 ゴフクヤサンドットコムでお迎えした半幅帯は、裏地が黒なので全体をキリっと引き締めてくれます。可愛いけどスパイシー。年間を通して頼れる一本になりそうです。

今だから考える『あらたま流きもの』のスターターキットって?

 クローゼットの中で、普段着はどれ?――
 と聞かれたならば、お洋服が100%近く占める方が大半ではないでしょうか。着まわしの利くシンプルな定番服は、ファストファッションのお店で安く手に入ります。ドレスアップしたい時は、一度だけだからとレンタル店を利用する。それが現代日本のリアルな衣服事情じゃないかな、と。

 きもの、着てみたいんだけど……通勤通学にはちょっと難しいけど、休みの日の服にきものという選択肢を入れたいという声は私も度々耳にします。
 「でも、ちょっと……ねえ」
 一歩踏み出すのに躊躇う理由は様々ですけども、一番多いのは初期費用がべらぼうにかかるんじゃないの?ということ。
 リサイクルきものという答えもあるにはありますけども、本当に欲しい品が必ず見つかるとは断言しづらいですし、安いものには『それ相応の訳がある』という事情もあって、現状の私は一も二もなく断然オススメ!と言い切ることに抵抗があります。

 一歩踏み出したい方の疑問に答えつつ、きものに対するハードルを下げることを試みるなら、手持ちの御洋服やアイテムをファッションパーツの一部としてきものに組み込む「和洋折衷スタイル」から始めるのもありなのかなあと思います。

 先ずは着付けを覚えたいのだけど……と仰る方には、もう一段手前に戻って浴衣セットからをオススメしたいです。あくまでも練習着・部屋着としての浴衣セットは道具の数も着付けの必要最低限点数ですし、手順を覚えやすいです。春から練習を始めたら、夏にはお散歩できるようになると思います。

 着付けの手順をマスターしたら、木綿単衣と半幅のセットにステップアップ。
 木綿は自分で洗えるのとお洋服アイテムとの相性がいいです。私個人の好みもありますけども、着やすさと動き易さの点で最初の一枚はデニム着物を推したいです。
 浴衣が一人で着られるなら、カットソーやシャツを襦袢に置き換えて着るだけの感覚だから『きものが普段着』の気分を存分に味わえるんじゃないかなあ。

 となると!
 私が考える『ゼロから始める普段着きものスターターキット』は、この二種類かな。

 【着付けを覚えるところから始めたい方向け】
  浴衣、半幅帯、腰紐(下駄はサンダルやスリッポンなど、お手持ちの靴)
 【一人で浴衣着られるよ!普段着としても着てみたい方向け】
  木綿長着(デニム推奨)、半幅帯、襦袢替わりのカットソーやシャツ、ステテコやペチコート

 以上を通過して更に正統派の着方できものを!となれば、呉服屋さんが認識するスターターキット「小紋、二部式襦袢、名古屋帯」と進んでもいいのですが……ここも段階を踏みたいのが私の本音。

 話がちょいと脇道にそれますが。
 プロの呉服屋さんが聞いたら叱られるかもしれないけれど、私、きもの初心者さんにいきなり礼装用の御仕立を薦めて「普段着としても着られるので一枚持っとくと重宝ですよ」ていう常套セールストークは詐欺の一種だと思ってるのです。
 色無地・色留袖ってきもの界隈にいる私なら「あー、うん。帯の合わせ方によってはねえ」と普段着で着る選択肢も出てきますけども、そういう店員さんはお客様が知識ゼロを良いことに帯だって礼装用をお薦めされるでしょう?……どこが普段着だコラ、て場面を見るのはもう耐えられないのです。

 イマドキ、正統系の普段着ならば最初の長着はポリで充分。吊るしの小紋を当ててみてお直し必要ならばそこから始めるのでいいと思います。
 それにね。
 御仕立デビューならば、まずは襦袢からじゃないかなって思うんです。襦袢の着方が着姿を支配すると言っても過言ではないというのが私的持論なので……って、ここは何回かに分けて書いてもいいかもしれない。ていうか、書きたい!書かせて!

 ……ということで、襦袢の話と私的長くお付き合いしたい呉服屋さんについては、次週に。
 

いかがでしたか

 書きたい事いっぱいで、ついつい更新時間をオーバーしてしまいました。
 にゃんこ先生が「かまって!」とネコパンチかましてくるので、このへんで……。


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