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sannoun
【創作小説】猫に飼われたヒト 第36回 給仕係
研究所にて。
「今日からお世話になります!給仕係のキャロルです。雑用でもなんでもやりますので、どうぞよろしくお願いします!」
研究所にはヒソヒソ声が響き渡った。
なぜ急に給仕係というものが設けられ、猫が一匹新しく入らなければならなかったのか。
ティオ「おいメガネ。これ、一昨日急に決まったんだって?」
メガネ「はい…そうですよ…」
ティオ「しっかり見惚れちゃってんじゃん…」
ティオ「先輩は…」
絶望的な表情をしているネイサン。
「さ、業務開始だ」
レックスがぱん、と手を叩く。
フルーメンが席を立ち、ティオたちの方に向かってくる。
ティオ「主任、そういえば、社員旅行なんで途中で帰っちゃったんすか?」
フルーメン「別に。腹が痛かっただけだ」
「はあ……」
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(フルーメンの回想)
タクシーで自宅に着いたフルーメンは、人間を中へ入れた。
そして、汚れた身体をタオルで拭き、ある程度の身なりを整えた。
あの廃墟で発見した時、この人間は言葉を話すことができていた。
ならば、この人間からアウラさんの死の真相を聞く他ない。
だが、なぜ言葉を話すことができる?
そんなことを考えているうちに、人間の腹が鳴った。
次回に続く
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