泣くこと
今日ばかりはすすり泣きはできないと瞬間的に思った。
破裂寸前の風船のようだった。
だから、声を上げて泣いた。
なんだか懐かしい気持ちになった。
子どもの頃、こんな風に泣いていたなあ。
大人になってからも泣く機会は多かったけど、同居人に気づかれないように声を殺して泣いていた。
わーん。うわーん。わーん。
嫌なこと全部、吐き出して。
こんなに嫌なことがあったんだよ。でも頑張ったんだよ。
うん、そうだね。よく1人で頑張ったね。
めいっぱい悲しんだ。そしたら、なんでこんなに悲しくて辛いのに、生きているんだろうって思った。
次の瞬間、嬉しかったり楽しかったりした愛しい思い出が、ぶわーって頭の中に溢れた。
そう。好きな人たちとの出会いや、楽しかった思い出が。そして何より私が書いた私の物語があったから、私は生きてこれたんだ。
悲しみに溺れて見えなくなっていたもの。私をいつの間にか支えてくれていたもの。取り戻した。はっきりと、しっかりと。
だから、この先もきっと大丈夫。
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