心不全での入院 (2020年4月~6月)
入院は2度目になりますが、コロナ禍ということもあり前回とは随分と勝手が違いました。一番の違いは【面会禁止!】ということ。着替えなどの荷物の受け渡しも直接できなくて、目と鼻の先の所まで来ているのに娘の顔が見れない、声が聞けない状態でした。仕方がないこととはいえ寂しかったですね。
もう一つ大きな違いがありました。それは退院がいつできるか分からない状態だったということです。このことが精神的に負担大でした。入院期間が長くなるとどうしても悪い方に考え出すので精神面が不安定になり危うい状態に陥らないですか?(私だけかな?) ふとした瞬間、不安になったり、先生の言葉に敏感に反応して緩くなった涙腺からポロポロ涙が出て止まらなかったり、看護師さんの何気ない?態度や一言にイライラしたり、悲しくなったり。精神的に不安定になっていて気が付いたらブツブツ言ってる自分がいたり……。面会できないことで余計に追い詰められる結果になりしんどかったです。
☆病院でのできごとーー
毎日の検温、血圧・体重測定、それからほぼ毎日あった朝一番の採血。この中で憂鬱のたねが2つ。その1つが朝一番の採血。というのも私の場合、腋窩リンパ節郭清をしている右腕での採血ができず、左腕は強心薬などの点滴をしているので正確な数値が出ないということで、なんと足から採ることに(確実に採れるのは鼠径部だと後日担当医に言われましたが、そこは遠慮したい)これが腕と違ってもう超がつくほど痛くて、その上 足は引きが弱いとのことでベテラン看護師さんでも1回で採れるとは限らず、数回チャレンジは当たり前で、左右の足首、甲、脛と採れる場所を探していくという…。いつしか両足はうっ血し、打ち身のような痕、腫れが幾つも……。昼間担当の看護師さんに「痛々しい」と言われたこともあります。
何とか採れたとしても時間がかかりすぎてると検査ができなくなり、再度 採り直すということが何度かありました。
針を刺すだけでも足は痛いのに、血管に刺した後にぎゅうぎゅうと針を押し込んでくる看護師さんもいて、痛すぎて叫びそうになったことが何度かありました(針の角度によっては血管を突き抜けていることもあるとか) ポートでの採血ができるとなった時はもう痛い思いをしなくてすむと嬉しかったです。
痛い思いと言うと、駆血帯をきつく絞められ「あ、やばい」と思った直後ふくらはぎが思いっきりつって激痛でベッドの上でしばらくのたうったこともありました(ちょくちょくつっていたのですが、この時のが一番痛かったです)
2つ目の憂鬱は血圧。朝と昼に飲む心不全を改善するための薬が収縮期血圧90mmHgを越えないと飲むことができなくて、血圧を測るのが嫌だったというより苦痛でした。入院中の私の心臓は頑張っても90mmHgを越えることがほとんどなく、日に日にイライラが募っていってました。だって、薬が飲めないと退院することが出来ないと言われていたので(退院後は飲めないと困るからと主治医が妥協して85mmHg以下はスキップになりました)
そうそう血圧も採血と同じ理由で腕では測れず、最初の頃は腕で測れないので足首で測っていました。術後の通院治療時は手首で測っていたのですが、循環器の主治医が、手首も足首も正確な数値が出ない。心臓の治療には血圧は大事だと言って乳腺外科の主治医の許可を得て1日3回までなら右腕で測っても良いことになりました。が、実際には3回以上測ってます。
個室だったのですが、全然落ち着けなかったです。それもそのはず、検温などで来る以外に、1時間おきに強心薬がちゃんと投与されているかの確認、脈が飛ぶ期外収縮(不整脈)がみられたといっては昼夜を問わず看護師さんが来るので、特に夜は気になって眠れず常に寝不足状態でした。この寝不足やストレスも期外収縮を誘因するみたいですが、念のためホルダー心電図(24時間の心電図の波形を記録)を受けることになりました。結果は不整脈を疑う波形はみられませんでした。
心エコーや心電図、レントゲンを受けに車椅子で外来に行くのも日課のようでした。病室を出れるので気分転換にはなっていたかも?その中で気分転換どころか疲れが倍増したことが……。強心薬の点滴が終了した翌日(退院前)に受けた心臓のMRIが、「鬼か!?」と思うほど大変でした。
心臓の鼓動とタイミングを合わせて撮るため心電図みたいな物を付けるのですが、10段階の1でも2でも拾えるのに0だと言われすごく不安に。機械を替えても上手くいかず、違うやり方でやることに…。不安が増す中、前回のうつ伏せとは違い今回は仰向けで筒の中に入りスタート!!閉塞感が半端なかったです。
合図に合わせ息を吸って止めるのですが、本調子ではない私にはこれがもう苦しくてつらくて大変。頑張ってやっているのに上手く止められていないと途中で注意され、ため息までつかれてしまいした。何かあったら握るようにと持たされたボールを早々に握って終わらせようかと何度思ったか。終わった時には完全に息が上がっていてしんどいわ、1時間にも及ぶ同じ姿勢での拘束に体が固まって本当に辛かった。翌日も朝から体はパキパキでダル重さが続いていました。
後日、やり直しになることもなく結果を聞けてホッとしました。(心室拡大、壁の菲薄化(皮膚が薄くなること)。線維化やサルコイドーシス(原因不明の多臓器疾患)を疑う遅延造影は認められませんでした)
いろいろ憂鬱だったことや大変だったこと、しんどかったことなどを書きましたが、入院中 一番しんどかったのはやっぱり今の状況、状態を一人で受け止め、どうしたいかを決めないといけなかったことになると思います。改善があまりみられなくて最悪の話を聞かされるのは本当に堪えました。
自分の状態がいかに悪いのかということを突きつけられるので主治医と話した後は気分が沈むことが多かったです。自分1人で受け止められる許容量を超えてしんどくてどうにかなりそうでした。
まあ、最終手段である心臓移植は順番待ちもあるけれど免疫抑制療法を行うため、悪性腫瘍(がん)治療後は一定期間(5年以内)はうけられないからと入院して直ぐくらいの時に言われたくらい私の状態はひどかったらしいので、主治医が最悪の話をしてくるのは仕方なかったのかな。と今なら思えます。
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