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【最後まで書けるかな】ポイント制社会 第1話

「ぴんぽーん♪」

今日も自分の1つ前の人が自動改札機に捕まった。
こういうことは自分には日常茶飯事である。

自動改札機に引っかかる確率はとある調査によると1~2%。この調査を信用するならば、自分の1つ前の人が自動改札機に引っかかることはそんなないはず。

でも。

「ぴんぽーん♪♪」

今日もまた快調に自動改札機に捕まる人々。そんなことは別にいいのだが、なぜ自分の1つ前なのだ。

引っかかる理由は人によって様々であろう。
Suicaのチャージ金額不足だったり、タッチの加減が悪かったり。
いや、そんなことも別にどうでもいいのだ。なぜ自分の1つ前で引っかかるのだ。

このような事象は自分の身の回りに山ほど観測されている。

街中に出れば、大体通り道に集団がわちゃわちゃして通れない。

反対側から来た人や、歩みが遅い前の人をよけようと自分が右側に意識を傾けるかどうかといったタイミングで相手も同じ方向に寄ってくる。

めざましテレビで占いの時間にテレビをつけていて、占いの結果を目撃する頻度は大体週に1,2回といったところだが、9割がた自分の星座であるかに座の順位は12位。
ラッキーアイテムはカツサンドだと。いや、だから、そんなことは別にどうでもいい。
というか、朝からカツサンドとか、胃がもたれるじゃないか。

え、お前はなんでそんな愚痴を連ねているのかって?

「人生がもったいない」

じゃないか。

このような、無意識に引き起こされる時間や思考などの浪費。ちりつもに重ねていくと相当なリソースが貴重な1回しかない人生から否応なしに差し引かれていくのだ。
そして、差し引かれたことに対して代わりに何か得られるものは何もない。正確に言うと、ネガティブなものは得られるが。

西田(ここで唐突に名前を出してくる)は、もうそんな日々に嫌気が差していた。

どうにかできないか。

西田はとあるIT企業でエンジニアをしている。一般的にイメージされるエンジニア像の通り、西田は非合理的な事象を非常に嫌う性格であった。

どうにかできないか・・・!

そして、非合理的な事象を何とか解決しようと思考をめぐらすのも、よくあるエンジニア像そのものであった。

そして、西田は1つの発想にたどり着く。

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