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筋肉がキレてるお馬さんの話。
「うへぇ、こんな筋肉の1歳馬見たことないよぅ・・・」
と募集馬ツアーでほうぼうからあがる声。ジェネラルリンクスのことである。
ジェネラルリンクスはこのように、類まれなる筋肉量を持つ馬体で有名になった。
後日、この筋肉はノーザンファームや厩舎の仕上げにより、さらにどんどん仕上がってくるわけだが、努力ももちろんあるのだろうが、本当に才能の賜物であったと思う。
しかし、何せ前例がほとんどないほどの筋肉量であるがゆえ、その筋肉の実効性に疑問の声もあがっていた。
「あんなムキムキ、ボディービルダーじゃないんだから、却って走るのには邪魔だよ」
たしかにその声も、もっともと思える部分もあった。その答えはデビュー戦で出る。
2着に2馬身半差をつけての楽勝。以後、周りの雑音は一切と言っていいほどシャットアウトされることとなる。
一方、ジェネラルリンクスはあどけないかわいい系の顔をしていた。
「ギャップありすぎやろ。」
そして、少なくとも傍目から見た限り、全く人間に反抗することもなく、淡々とタスクをこなす大人しい性格。
「ギャップありすぎて、ギャップ萌えに燃える人にもおススメですね。」
そして、ジェネラルリンクスは、あっという間にオープン馬に。
その大人しさからは垣間見えない、内に秘めたるものはどのようなものなのであろうか。
ちょっと気になる。
何せ、これは速い馬の常とも言えるが、厩舎でもジェネラルリンクスについていける馬がほとんど居ないので、ほとんどが単走での調教、かつ坂路だ。
ひたすら1頭で坂を登っていく生活。
そして、周りで仲良い馬などの話も聞かない。孤高のイメージ。
ジェネラルリンクスはそのまま、どこまで高みに登っていくのだろう。
そこに山があるから登る、ジョージマロリーの名言のごとく、そこに坂路があるから登る孤高の競走馬になっていくのかもしれない。