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🇦🇿ザクロ料理:ナルゴヴルマ実験記

多分、こんなんじゃないだろうな(苦笑)。

以前、アゼルバイジャンのナルゴヴルマという料理を紹介しましたが、ついに作ってみました。が、結果は思うようにいかず。

結局、確認しなければならないことは二点:

①本当のナルゴヴルマを食べてみること
②ザクロの果実を使うこと

まず①が重要で、塩などを入れて調節しようとも、本場の味がわからないため調整のしようがなかったということ。

次にザクロが手に入らない。今日はカルディで仕入れたザクロジュースを使用して鳥肉を煮込んでみましたが、できたのはどちらかといえば「鳥肉のザクロジュース煮込み」みたいな一品でした。

また、narşərabというザクロの発酵物の味もわからない。アサイー酢とオイスターソースを組み合わせて、イメージでそれらしいものを作ってはみたが、合っているかはわかりませんでした。

だが、作ってみて一つピンときたことがあリます。この料理はスカンディナビアで食べられている「トナカイ肉+クリーム+ジャム」の組み合わせと発想は同じではないか、ということです。

つまり、本来はバターで煮込まれた鳥肉と玉ねぎがあって、それと一緒にザクロの実を煮込む。そして、乳製品の油っぽさと甘さをザクロの果実の甘酸っぱさを皿の中で共存させる料理なのではないか。なので、噛んだ瞬間にザクロの甘酸っぱいエキスがバターに対抗して現れるのが正則なのではないかと思います。

ところで、ザクロはペルシャ(イラン)原産ということですが、イランは近代に成立した国。なので、ペルシャと考えたほうがいいのですが、ペルシャ帝国はとても広大な範囲の国でした。そのため歴史的な原産国は非常に曖昧です。

しかしながら、ウズベキスタンでも歩いているとおばちゃんに「ザクロあげる」と言われて突然頂いたり、アルメニアのような他のコーカサスの国にもナルゴヴルマに類似した料理があり、コーカサス〜西アジア〜中央アジアのザクロの歴史の根深さを感じずには入られません。

ニキズキッチンの記事によれば、アゼルバイジャン料理でザクロはナルゴヴルマだけに止まらず、スープやピラフの材料としても活躍するとのことで、まるで鰹節やふりかけのようにいろいろな料理に使われています。例えばナルゴヴルマではnarşərabというソースが加えられているのですが、私はここでザクロが日本の「みりん」と同じように料理の味に深みを持たせるために使われているのではないかと推測しています。

ただ、今回ザクロ料理は難しいということを経験しました。ザクロエキスで煮込んでしまうとただの煮込み料理となり、似ても似つかない異なった料理になるのではと推測しています。したがって、ザクロの果実(種の外皮)のままで一緒に煮込んだ方が、よりアゼルバイジャンっぽくなると考えます。スーパーで買えないのが難点ですが...

しかしながら、下記のレシピ本ではザクロジュースでも代用可能とあります。今回の原因は、実質、分量の間違いなのか...??これは本物を食べてみないとはじまらない!アゼルバイジャンに行く理由が一つ増えましたね🇦🇿。


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