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一万歩歩いた日に我は想う。

「セントロ(旧市街)行こう」とママ友と約束していた。何でもあるごちゃごちゃしたセントロは、治安も悪いけど物が安い。一等地にあるブランドのアウトレットのような店舗もあって、「一度ここで買うと普通のショッピングモール行けない」とママ友はいう。

12月は贈り物の季節。私ももし親戚がいれば、恐ろしい数(この国は離婚再婚を繰り返し新しいパートナー及びその子どもがいるので半端ない)の贈り物があるだろうけど、幸いにして家族3人。

①週に一度来てもらうお手伝いさんとその息子、②フラメンコの先生、③子どもへのサンタプロジェクトとすぐに思いつくのはこれくらいで、あとは仲良しのお友達や会う予定に合わせて買い足すつもり。

12時までの買い物時間を十二分に楽しむためジムには行かずに保育園から直接セントロへ行き、あわただしく①お手伝いさんによそ行きのワンピース、②ネックレスとピアスセット、③お人形さんセットを購入。メチャクチャ歩いたけど掘り出し物もあってよかった。

興奮したのは本屋さん。有名な絵本作家の絵本や、ディズニーの絵本が割引で手に入った。おもちゃも楽器も放り出す我が子が唯一何度でも飽きずに遊んでくれるのが本。相当コスパがいいので、タブレットもテレビもない我が家は本一辺倒の育児になってしまった。

うちの親は、漫画はだめだけど本だけは糸目をつけないっていう典型的な教育志向の考えだった。そのおかげか本だけは今まで生きてきた中で一番の趣味だから、それだけは感謝してる。

育児して思うけれど、親である自分がつかみとった実感でないと子どもには「こうしたほうがいい」と言えない。私自身がいい大学、いい会社というエリートコースではないから「一般的な就活をするべき」とは絶対言えないし、思ってもない。

でも、海外で働く上で「大卒」ではないと査証をとるのが難しいから、中卒で放り出すのも心もとない。ずっと国内で生きていくならいいけど、外国で就労するなら大卒のほうが有利だろうな・・・でも我が子が大人になるときには時代も変わってるだろうしなぁ。

国道沿いのロイヤルホスト。忙しい時期に母がそこで仕事をして、姉と私は注文すると隣のアニマートっていう大きな本屋さんに直行して、大好きな歴史アニメや絵本をずーっと読んで空想の世界にふけってた。

はっと気がついてロイヤルホストに戻ると、仕事してる母のそばに熱々の料理があって、しばし現実に戻り食べ終わるとまた本屋に行って自分の創り上げた想像の世界に没頭する。

そんな小さい頃を、南米の埃っぽい本屋で立ち読みしながら思い返していた。

あれを幸福と呼ばなかったら、この世界に幸福なんてきっとない。

我が子には5冊の絵本を買った。



主に書籍代です。