開発の衝突あるある
大人数で開発をしていると、大なり小なり衝突が起こります。
開発においては、スケジュールの線にのることがとても重要です。みんな、遅れを出したくありません。最小限の工数と労力で、最速で開発しようとしています。やりなおしなどの戻り工数の発生は防ぎたいです。
その結果、ぶつかり合いが発生することがあります。
例えば・・・
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電気回路設計するエレキ屋さんと、ファームウエアやソフトウエア設計するソフト屋さん。
回路が載ってる基板がないとソフトを動かせないし、基板受け取ってからちゃんと動くようにデバッグする時間も欲しいので、ソフト屋さんはエレキ屋さんに、早く回路設計を固めて、基板が欲しいと要求します。
一方、エレキ屋さんは全体の回路設計が完了するのも、部品を集結するのも時間がかかるし、基板を一回つくると結構な費用がかかるので、後からの変更をできるだけ減らすため、設計をじっくりして固めてから試作を作りたいです。
また、ひとまず動かせるソフトがないと試作した基板のテストができない部分があるので、部分的な機能だけ載った仮の基板でとりあえず動かせる試作用ソフトを作って欲しいとお願いします(既にソフト側の要求と合っていない)。回路側の設計によって、制御部分のソフト設計の変更も要求することもあります。
ソフト屋さんとしては試作用と本設計を2回作り込むとデバッグ工数が膨らむから、できればひとつにしたいですし、後からの変更はしたくありません。
そこに、機械設計をするメカ屋さんも加わります。
メカとしては、仕様でインプットされた外形(大抵は厳しめの小型化要求あり)に収まるようにしつつ、コストを出来るだけ押さえたくて、小さいサイズで樹脂で設計しようとしています。まだ電気回路は決まってないから基板サイズはこのくらい、とざっくりエレキ屋さんが決めた大きさで機構設計を始めます。
でも、樹脂化するとノイズ影響受けやすくなるからエレキ屋さんとしては金属を追加する余地を残しておいて欲しいです。メカ屋さんはコストもサイズも上がるから少し嫌々ながら余裕をもたせます。
その後、回路設計進めて実際に部品を載せて配置してみると基板サイズが少し変わったり、絶縁物追加したり縁面距離を取る必要なところが出てきり、熱を逃したい場所ができたり、ケーブルの取り回しでスペースが必要になったりで、エレキからメカ屋さんに変更を依頼します。
当然、後から言われても簡単にサイズ変更できないとメカさんがむっとして、ノイズはソフトでなんとかしてよ、と矛先がソフトに向いたり。
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そんなこんなを、会話の仕方を間違えると、どっちのせいで進めない!戻りが発生した!と、トゲトゲした会話になります。
それが、遅れが発生している状況だったりするとますます・・・。要するにボトルネックの押し付け合い、です。
そんなところを、プロジェクトの進行に支障をきたすような深刻な衝突が起こらないよう、上手に交通整理するのが、プロジェクトリーダーの大切な仕事なのだと思います。
さて、ここからは私自身の経験です。具体性がでてきて恥ずかしいので、途中から有料記事になります。
前提として、私は、交通整理がとても下手なプロジェクトリーダーの下に居ました(涙)。衝突がとても起こりやすい環境です。
でも私は、とにかくメンバの空気が悪くならない開発にしたかった。
開発終了後に、二度と関わりたくない!と言って開発者がどんどん外に出て行ってしまうようなプロジェクトをいくつも見てきたから。
開発チームの平和を守るため、私が心がけていたことは・・・
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