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ソムニウム(78)流れ


雨上がりの道を歩く
駐車場の空きスペースに
人のかたちをした
水が立ってて
俺はお前だ、 
お前は流れだ、
流れが枯れるまで生きろ、
と言う
わかった、
と答えて歩く
たっ たっ じゃたっ たっ
とくん とくん 
たくん たくん
人のかたちの水の流れが
自分の中に確かにある
濡れて輝く立ち木の梢が
顔をかすめてきらきら光る


(終わり)

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