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ソムニウム(64)虹


路地を抜けて顔を上げると
広大な泥の河が流れていて
水面から虹が立っている
こんな大きな虹は見たことがない
どこまでも目で追いかける
ぐるりと頭が股をくぐって
一回りするといつもの街並み
虹も河も消えている
何だったんだろう
手の平を見る
生命線が手首を超えて
肘の裏まで伸びている


(終わり)

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