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ソムニウム(75)龍のしっぽ、半透明の山


朝陽に染まった町並みの上を
自分の影が飛んでいる
他にもいくつか
飛ぶ影がある

家に戻ると
生まれたばかりの赤ん坊が
窓辺に置かれたベッドに寝てる
栗色の明るい瞳
むちむち太った白い手足
太いしっぽが生えている
メタリックな鱗が美しい
龍のしっぽ、
と妻が言う
赤ん坊がにっこり笑う

視界いっぱいに迫る岩肌
青ざめた白とクリーム色
流れる雲の隙間から
尖った山の頂が見える
高い空をいく飛行機のように
透き通って輝いている


(終わり)

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