詩「糸の星」


筋骨隆々だ
でも立ち上がれない
地面がないのだ
無重力
真空
翼も意味をなさない

ここは広大だ
際限が無い
支持が無い
積み上げようにも
散り散りに

糸が伸びる星はあるか

どんな細い糸でもいい
指で優しくつまんで
たぐりよせたぐりよせ
たぐりよせたぐりよせ
着陸をしたい
絶対零度だろうが
灼熱だろうが
食いもんがなかろうが
廃れてようが

いいのだ

地面を蹴って
跳び
着地して
振動を味わえれば
血の巡りを
脚に熱く感じられれば

衣食住など
もうくそくらえだ

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