詩「絵画」


残像が留まる
解像度は日に日に粗くなってる
出来事ひとつひとつ
大きな正方形に膨れる
暇があればそこに絵を描く
なぞるように
誇張するように
ホコリのような雲は塗りつぶし
目の覚める青さの空に...

どれほどの作品を作り上げたか
定かではないが
部屋の一方を常に開放しているので
作品をかき上げ置いておくと
自然に部屋から押し出され
押し出された作品は風に飛ばされる
それほどに多い
それほどに部屋が狭いとも言える
もう、趣味というべきか

うずたかく
つまれ
くずれ
だされ
そらにまう
はたまた
ゆか
いっかくに
のこる

作品の行く末を操作してるつもりはないが
紙を取り、指を離すその刹那

"ナニカニテクビヲツカマレル"

あくまで感覚ではあるが
そんなこともあって
妙にいつまでも
昔に描いた作品が
手近な机の床にあり
目に触れる時があるのだ
そんな時はそれを手に取って
まじまじと眺め
筆を加え
また、まじまじと眺め.....

.....


「もういいか。」


と思い、放る

あっさりと


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