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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2020年11月の記事一覧

『Wolfgang Tillmans How does it feel?』@WAKO WORKS OF ART 六本木周辺の展覧会 鑑賞メモ

六本木のWAKO WORKS OF ARTで開催されているティルマンスの個展、6年ぶりの開催ということ。展示は完全予約制で、週末は早々に満席になってしまう。早めに予定を立てるようにするといいと思う。 様々な作品が展示されている。入り口の部屋には、ピン止めされた作品が、目線の高さで、白い壁を埋め尽くしている。様々な構図、写っているモデルやモノ、ある種、無造作に見える写真の提示。フレームの中にオーバーレイで表現されている。フレームの中にあるフレームは、フレームそのものを考えさせ

『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』@東京都現代美術館 鑑賞メモ

開催初日に出かけてきた。 何がすごかったのか。デザインに対する凄まじさ。気迫があった。よく昭和の火の玉熱血な仕事人の逸話があるが、まさしく、それを体現するかのような勢い。1960年代の男女雇用機会均等法の前の世界、女性デザイナが世に問うたデザイン、入社の際に、男性と同じ待遇をするように要求したという。そうした冒頭のステートメントから、既に引き込まれていた。 そうした勢いが、広告に現れている。写真、コピー、構図、全体の雰囲気というよりも世界観が突出している。この時期にトップ

『熱 Art Exhibition "NETSU"』展 鑑賞メモ

佐賀大学の芸術地域デザイン学部一期生が中心になって企画した展覧会を見に出かけた。 この時期に生活の場から現代アートを発信したいという若いアーティストの思いを熱として、展覧会に込めたということ。 佐賀大学の芸術地域デザイン学部の教授と学生とは、初めての卒業展以来交流を続けさせてもらっている。現代アートが媒介するこうした交流があることを得られたのは、社会人大学院に入学して得られたことのひとつだと思う。 10月の最終週から11月の終りまで1か月ほどの展示期間を持つ。最初の1週