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ポラリス保健室だより 6月


歯と口の健康週間

本日(6月10日)までは、「歯と口の健康週間」
昔は「歯の衛生週間」とか「むし歯予防デー」なんていう言葉だったような
気もしますが、日本歯科医師会のHPによりますと・・・
2013(平成25)年から「歯と口の健康週間」という名称になったのだそう
今年の標語は
「歯を見せて 笑える今を 未来にも」

COVID-19が落ち着きをみせ、街中でマスクをしている人もだいぶ少なくなってきました。
口元が見えるようになって、また少し意識が変わってきますね。

8020運動

世界保健機関(WHO)の推計によると、世界人口のほぼ半数、35億人近くがむし歯、重度の歯周病、歯の喪失、口腔がんに苦しんでいるそうです。
学校でも歯科検診がありました。結果はいかがでしたか?
お子さんたちの歯科検診の結果をチェックしましたか?
そして、ご自身の歯の健康状態はチェックなさっていますか?

”8020運動”という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
永久歯は親知らずを含めると全部で32本あります。
最近では親知らずがキレイに4本生えそろっている人はめずらしく、埋没したままか、キレイに生えてこず抜歯するはめになり、大変な思いをされた方も多くいらっしゃると思います。
私も元々受け口(不正咬合で下顎の方が前になるかみ合わせ)で矯正治療をした経験もあって、親知らずは4本とも生えてくるスペースがなく、一番奥の歯の横に寝そべるような形で生えてきてしまい、大学病院で数名の先生に囲まれながら、歯を割って取るという大変な思いをしました。
ちょっと話がそれました・・・
歯が20本以上あれば、入れ歯がなくともほとんどのものが食べられることから、80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを目標に掲げています。
これが”8020運動”です。
学校においての歯科検診や口腔衛生用具の進化、みなさんの意識向上の成果によって、2016年の調査では達成率50%、2人に1人は8020を達成しているという報告があります。
今後も更なる向上へ向けて運動が続けられています。

よく噛めないことの影響

歯や口腔内の健康は全身の健康に直結します。
むし歯をはじめとした口の病気があると、”よく噛むこと”ができません。
よく噛んで食べることができると・・・
1. 唾液の分泌量が増える

唾液の役割は、”口腔内をキレイに保つこと”と”食べ物の最初の分解”です。
つまり、お口の中がキレイに保たれることで、むし歯や歯周病などの予防になりますし、食べ物が分解されることで消化吸収がよくなります
2. いろんな食べ物(食品)を選んで食べられる
固い物もちょっと変わった味付けのものも、どんなものも食べることができます。多様な食品を食べられるということは、栄養バランスがとれた食事をとることが可能になるということです。
3. 早食い、ドカ食いを防止できる
よく噛みながら食べるということは、時間をかけて食べるということです。
ゆっくり食べることで満腹感が得られやすくなります
食欲を抑制するホルモンが分泌されるからです。
すると、食べ過ぎが防げますよね。
4. 交感神経が刺激され代謝が活発になる
食欲を抑制するホルモンは交感神経が刺激されることにより分泌されます。
交感神経は活動するために働く神経ですので、全身のエネルギーが消費されてきます。
結果として、肥満の解消や予防につながります。
つまり、よく噛むことができなければ、全身の健康状態は悪くなっていくばかりなのです。

歯を失う原因

あたりまえですが、歯がないとよく噛むことができません。
歯の喪失二大要因は、”むし歯”と”歯周病”です。
歯周病は歯を支えている歯ぐきや顎の骨が徐々に破壊されいく病気です。
ほとんど痛みがなく進行していき、気がついたときは歯がグラグラになってしまいます。
厚生労働省の調査*¹によると全年齢層のほぼ2人に1人に4㎜以上の歯周ポケットのある歯がみられ(歯周病ということです)、高齢になるほどその割合が高くなることが明らかになりました。

厚生労働省 令和4年歯科疾患実態調査結果の概要より

タバコは歯を失う原因に+認知症にも!

タバコに含まれるニコチンやタールなどの毒素が、むし歯や歯周病が進行しやすい口腔内環境をつくり出しています。
ヤニの原因はタールです。タバコのヤニは特に着色しやすく、頑固にこびりつきやすいという特徴があります。
タバコを吸う人は吸わない人に比べて、約4~5倍も歯周病になりやすく、その結果として約2~3倍も歯を失うリスクがあります
喫煙と認知症の発症との関連についての研究*²では、この関連の20%は
[喫煙→歯周病等口腔疾患→歯の喪失→咀嚼機能低下→認知症発症]という経路で説明できる
という報告がされました。認知症の発症リスクも1.18倍だそうです。

歯ブラシや歯の磨き方を変えてみよう

むし歯も歯周病もどちらも原因は歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です
プラークコントロールとか、歯垢をしっかり落としましょう!というのはこのためです。
先日も朝の情報番組で取り上げられていましたが、歯ブラシや歯磨き方法をちょっと変えるだけでも、歯垢除去率はUPできるそうですよ。
わかりやすく、より詳しく紹介されているサイトのリンクを貼っておきますので、ぜひ参考になさってください。

実は、私も歯ブラシ選びには苦労していた過去があり、やっと数年前にぴったりの歯ブラシを見つけて喜んでいたのですが、なんとこの歯ブラシが製造終了になってしまったんです!

私のお気に入りだったピュオーラグラン

そこでこれによく似ている歯ブラシを現在使っています。

現在使用しているピュオーラ

デザインやカラーがグランの方がお気に入りだったんだけどなあ~
でも、使用感は同じ感じなので、気に入りつつあります。
みなさんもこれを機会にお口の健康診断をぜひ受けて、ご自分にあったお気に入りの歯ブラシを見つけてくださいね。

参考文献
*1 厚生労働省 令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要
*2 東北大学大学院歯科研究科 Tooth loss mediates the association between smoking and an increased risk of dementia among older adults :  The JAGES prospective cohort study (2024年2月7日 Journal of Clinical Periodontology)



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