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ロジックモデルは、ほしい未来をつくるための地図

こんにちは、自由七科のちひろです。

前回の記事で、自由七科でロジックモデルの見直しを行っているということを書きました。今日は、「ロジックモデル」とは何なのかについて、説明したいと思います。

ロジックモデルとは

ロジックモデルは、事業や組織が最終的に目指す変化・効果(アウトカム)の実現に向けた事業の設計図

ロジックモデル作成ガイド(日本財団)

ロジックモデルとは、事業を通じて実現したい社会を描き、そこに至るプロセスを図で表したもの。ロジックモデルを作成することで、「誰のどんな課題をどのように解決していくのか」を明らかにすることができます。

事業やプロジェクトには、様々なステークホルダーがいます。たとえば一緒に事業を行うメンバーや事業の対象者、クライアントや資金提供者など。ロジックモデルをつくっておくと、こうした事業の関係者が明確になります。さらに、立場の違う人たちと共通認識をもつことにも役立ちます。

社会の変化は短い期間で起こすことはできません。そこに向けて「今はここにやろう」「1年後にこんなアウトプットを出そう」ということを積み重ねをしていくしかありません。ロジックモデルをつくっておくと、成果達成までの道筋が見えるので、「現状目指しているのはここ」という合意形成をしやすくなります。いわば、ロジックモデルは関係者全員で同じ方向を目指すための地図のようなものと言えるでしょう。

ロジックモデルの構造

では、ロジックモデルはどのようにつくっていけばいいのでしょう。その前にまず、ロジックモデルの構造について説明します。

ロジックモデルでは事業の結果として生まれるものを「アウトプット」。事業を通じて起きる社会や環境の変化を「アウトカム」と呼んでいます。アウトカムは自分たちのコントロール外にあります。また、未来に行くほど社会や時代などの変化の影響を受けやすく、事業との関連が薄まっていきます。「風が吹けば桶屋が儲かる」的な度合いが増していく感じです。

ロジックモデル作成のプロセス

次にロジックモデル作成のプロセスについてみていきます。

  1. 最終成果(アウトカム)を描く

  2. 成果を初期・中期・長期と分けてみる

  3. 具体的なアクションプランを立て、効果測定の指標を決める

  4. アウトプットを生み出すために必要な資源を洗い出す

ロジックモデルはバックキャストでつくっていくので、まずは最終的な成果を描くことから始めます。抽象度の高い言葉でつくりたい社会や、起こしたい変化を表現するのがポイントです。

次に、出てきたアウトカムがいつごろ、どのような順番で実現するものなのか、初期・中期・長期と時系列で分けてみます。1と2の作業は分けずに、一旦、思いつくものをあげておいて、後から初期、中期、長期と分けていくとやりやすいと思います。Polarisでも行ったり来たりしながら、言語化していきました。

アウトカムが出来たら、具体的な活動に落とし込みます。このとき、成果を図るための指標も併せて考えます。既存事業の場合は、現在行っている事業がアウトカムに繋がっているかもチェックします。この辺はフォーキャストの思考も入ってきます。

最後にインプットを洗い出します。インプットとはアウトプットを生み出すために必要なヒト・モノ・カネといった資源のこと。先に挙げた活動が自分たちだけで実行できない場合は、外部との連携も視野に入れます。

ここまでがざっとロジックモデルとその作り方の説明でした。次の記事ではPolarisで行ったロジックモデル作成を踏まえて、プロセスごとに感じたポイントや気づきについて書いてみたいと思います。

【参考資料】
日本財団 ロジックモデル作成ガイド
ロジックモデル作成の詳しい説明がPDFにまとめられています。

ロジックモデルの解説のほか、分野ごとのロジックモデルや指標の例も掲載されています。

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